剪 定
さつき 刈り込み三昧
6月は、さつきの刈り込みに最適な時期です。
今なら思い切って刈っても、来年の花芽を持たせることができます。
しかし、刈っているのに毎年大きくなるばかり。
どのくらい刈ればいいのか?
その疑問にお答えするために、お客様にも協力いただきました。
よくある、石に添えられたさつき。でも、このままではいずれ石が見えなくなってしまいます。
中を覗いてみると、枝の色が茶色の部分と、その先にまだ緑色をした部分とがあることがわかります。
緑色の枝が昨年から伸びた部分です。
ということは、茶色の枝が見えるまで刈れば大きさが大きくなることはないわけですね。
それを目安にはさみを入れれば…
→
となるわけです。
いつものように、無粋な太枝は中から切り戻し、品のある仕上がりにしましょう。
形の矯正は、一度にせず、年数をかけてよい形を目指すと、力まずに済みますし、形ができていく楽しみが持てます。
上のさつきも将来的にはもっと低く、丸くしていく予定です。
すでに来年の刈り込みが楽しみ。
下記のさつきは、お客様が自分で刈ったさつきです。
5月にお会いした時、「花後すぐに刈っておくと来年も花で覆われますよ」と、
お話しておいたので、その通り刈ってくださいました。
アドバイス通りしていただけたことに先ずは感激です。
自己流と言いながら、電気バリカンの使い方はいいですね。
丸みの感じがきれいです。
しかし、アップにしてみると…
形はたいへんきれいなのですが、随分緑の枝が残っていますね。
ということは、昨年よりこのさつきは大きくなってしまったということですね。
そして、この部分が来年茶色くなり、さらに来年また緑の枝が残ると考えると、このさつきはまた大きくなるわけです。
この、’毎年刈っているのに、うちの木は気がつくとこんな大きさになってしまった’という現象は、
思い当たる方も多いのではないでしょうか?
実は、どんな木でも理屈は同じですし、昨年と同じ場所で切ることは、表面だけを切ることとは違い、
労力は倍くらいかかるのです。
折角お客様が刈ってくれたさつきをもう一度刈るということに、たいへん申し訳なさを感じながらも、後学のためにも、刈り直しをさせていただきます。
このさつきは昨年自分が小さく刈っていますので、目安はその刈り後(茶色の枝まで)。
バリカンの刃であてるとこんなくらい。
ただこれだけの違いなのですが、大きな違いなのです。
↓
アップにすると、ここで刈るの!?と言いたくなるくらい茶色くなります。
これが大きくならないためのコツなんです。
他の植木に比べてさつきのいいところは、時期さえ間違えなければ、いくら葉がないところまで切っても枯れずにまた新芽が吹きなおすことです。
それを行うのに、6月はたいへんにいい季節です。
まさに刈り込み三昧!
裏手の石が見えない状態でしたので、20cm大きさをつめました。
まだ切ってもいいかな。
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