市立グリーンセンター (埼玉県川口市)

昭和42年に開園された公園です。
植物に親しんでもらうための大規模庭園型公園と、ミニ鉄道や大型遊具を設けたレジャー向けわんぱく広場
を擁します。
公園面積は実に130,000uあり、隣接するプールも合わせると160,000uになります。

入園するためには300円(格安年間パスあり)が必要です。
しかし、ここでのんびりできることを考えると、なんとも安い金額です。
もちろんここが市立だからでしょうが、これほどの施設を市で作ったとはすごい。
またここが、親子連れで楽しむことができることもいいと思います。

市立なだけに、なんでも一箇所に作ってしまおうという意図も確かに感じられます。
しかし、一般にある総合公園とは違います。
もっとまじめに、深い内容で作っているなと感心します。
それは、訪れてみるときっとわかります。
特に、親子での入場のし易さを意識しているところが、とても気に入っています。
くつろぐというには、少し休憩スペースが少ないのが気になりますが、静かで落ち着くところです。
もちろん、お庭の参考になさるにもお奨めです。

正直ここが市立だとは思いませんでした。
しかも、これほど整備されているとは。
有料だとは知らずにいましたが、お金を払う分の価値以上の
ものはあります。
テーマわけされた公園内の植栽は、お庭の参考にもなります。
地元造園屋さんの、作庭サンプルコーナーもあります。

正門をくぐった正面の植栽には、ベコニアで作られた’川口’の看板がありました。
鉢物でこれを作るのですから、手間がかかっているでしょう。
看板の裏手に回ると、作りがわかりますよ。

その看板の横にある、つつじ山。数種類のつつじ25,000株で、さまざまな形を作っています。
見下ろす所があって、全体を見ることができるとよかったのですが。
奥は小高くなっているので、花の時期にはきっといい眺めになるのでしょう。

川口の花看板を振り返り、開けた空間を見ると、幾何学模様を刻んだ花壇を前景に、大温室が鎮座しています。
その入り口には、花時計が時を刻んでいました。

大温室に向かう道すがら、トピアリーが空間にユーモアさを演出です。

サルビアや、マーガレット、コスモスで花壇を形成。奥の柱の連続は、大パーゴラ(休息所の日よけ、つるものの棚)だそうです。

有名な’あぶくま鍾乳洞’の岩石があります。庭石にしたのかな?

普段は水が少しだけ流れているだけの滝ですが、一定の時間になると、水が噴出し、楽しませてくれます。
今回は、タイミングが悪く、正面から噴出しているところは撮れませんでした。
温室脇のススキがきれいでした。

左は温室入り口です。
この形の建物が、真ん中に別棟を持ちながら、二つ繋がっています。
見ごたえのある大きさです。
展示も、同じ仲間の植物の色々な品種が飾ってあり、とても楽しめます。
特にサボテンはGOOD!です。

バ、バードセンター?
猫姉の目が輝きます!
やはり、ただの庭園公園ではなかった。

早速はじめに出てきた孔雀たちの檻の前で、その中に一羽だけいたシロクジャクと何やら話しています。
どうやら、パンを車から持ってこなかったことを謝っているようです。
有名店デイジーのパンも、友達を増やすためには必要経費。

キャンベルタウンにいる鳥たちとは、また異なるかわいい鳥たちがいます。檻に寄ると近づいてくるので、ちょっと撮りづらいかな。

道標代わりの埴輪が目印。
奥は昇りになっており、ボタン園、ロックガーデン、
山野草園と、形を変えながら生態系の移り変わり
を示唆しています。

わんぱく広場には、全長600mのミニ鉄道に乗っていくこともできます。
途中ちゃんと駅も、遮断機もあります。
子供たちに大人気でした。
広場には、展望滑り台や、大型の遊具が色々あります。
乳幼児が一緒でも安心な施設も奥にあります。

シャレたレストランのような大集会場。
ちょうどこの裏手が入り口になりますが、その門扉が
孔雀の形をしています。個人的にお気に入り。
他にも、展示館、鑑賞温室、緑の相談所、林間教室
など、多数の施設が点在しています。
興味ある方は、川口市のHPを見てください。

ちょうど滝の上に出てきたとき、滝と噴水によるパフォーマンスの時間に当たっていたようです。
何やら楽しい光景が繰り広げられているようです。
これ以上近づけないのが残念。

雨に濡れることで、余計に趣を感じさせるプロムナード。
静かな森の中のようで、とても落ち着きます。

本格的茶室もありました。申し込めば使えるのでしょう。木戸は鍵がかかったままでした。

水生植物と、山里の小川です。
そのまま菖蒲園に続きます。
そして、椿とさざんかの山に通じていきます。

こちらは白鳥の池。
様々な生き物たちとの出会いが、ここにもありました。
しかも、さすが植木の町です。
園路の敷石など、良いものを使い、かっこよく並べられています。
これを自分の庭にも取り入れたい、と思わせる作りもあります。

一見和風の拵えに感じますが、
材料を替えるだけで、十分洋風の
庭にも応用できます。
大小、形、植物との組み合わせ、
お手本にしていいでしょう。

芝生が池の横から、つつじ山のふもとまで広がっています。残念なのはこの芝生、立ち入り禁止なんです。おじさんが一人で除草作業中。

芝生の向かいにある、庭の見本コーナーです。
地元の植木屋さんたちが、区分けされたスペースに、
様々な庭の見本を作っています。
正直言って、ちょっと凝って作りすぎかな。もっと今の住宅事情に合わせたレベルの方がよい気がしますが、作り手の技術の高さは
よく伝わります。ちょっとライバル心、野田でもこういう場所があるとよいのに!

最後に、アケビやノウゼンカヅラ、キウイなど、家庭でもよく使われる、つる性の植物が数種類からませてある棚を通り抜けると、正門から右回りに一周するコースになります。
二人でグルグル歩いているだけで、優に二時間。
よいウォーキングになりました。

相嶋造園