八王子城 (東京都八王子市) 
                   巻末付録;(恐れ多くも)武蔵御陵 

八王子城は、あの小田原城で有名な北条氏の最大の支城です。
関東の安土城と呼ばれるほどの山城だったようです。
戦国の歴史、城の変遷を語る上でとても重要なお城ですが、語りだしたら長くなるので省略します。
国指定の文化財ですが、このたび平成18年に「日本100名城」に認定されました。

温故知新という言葉があります。
’古きを訪ね、新しきを知る’歴史的遺構を訪れると、その言葉に妙に納得するときがあります。
八王子城も、猫姉が新聞に掲載されていたのを見たことがきっかけで、来ることになりました。
「そこに何が残っているか」よりも、「そこが何かの舞台になっていた」ことを知りに行く旅です。
見て面白いものがある、ということを期待しないで見てください。

実はこの前の日に、小田原城に行っているにもかかわらず、こちらを紹介しています。
だって、こっちは知らない方多いでしょうから。

巻末付録;(恐れ多くも)武蔵御陵

実は、八王子城からすぐのところにあります。
言わずと知れた、昭和天皇と大正天皇、それぞれの皇后のお墓があります。

霊廟である以上、ここをいわゆるサンクチュアリ(聖地)としてもおかしくないでしょう。
先に述べたように、思想や言論を抜きにしても、この地において感じるものは人それぞれあるはずです。
皆が入れる場所であるのですから、一度は訪れてもよいと思います。

城主は北条氏照(うじてる)。
歴史上有名な、豊臣秀吉の関東平定、小田原攻めの折、これまた有名武将の前田利家、上杉景勝に攻められ、あえなく落城。
しかし、落城時には城が完成していたわけではないようです。
八王子城落城と共に、小田原城も開城して、秀吉に屈しました。
ということは、この城が持ちこたえていたら歴史は変わったかもしれません。
そんな舞台にやって来ました。

この時代、すでに平地に建てる城が流行っていたのに、あえて逆行したように、険しい山に城を造るとは、この地の重要性を感じました。
未完成とはいえ、広い!です。しかも、険しい!です。
今回は、本丸には行かず(往復80分コースの山登り)、復元されている遺構のみ回りました。

八王子霊園の間の細道を登っていくと、管理棟が出現。
手前に駐車場があります。
驚いたことに、20台近い車が駐車されています。
若いカップルも数組。
実は知名度があった!?

管理棟に入らず、さらに先の山の中にある階段を登っていくと、本丸に通じます。
途中、城の守り神八王子権現を祭る八王子神社や、石垣があります。
見晴らし最高!のポイントもあるようです。
ただし、かなりな道らしいですよ。
さらにハイキングコースにもつながっています。


我々は管理棟内へ。

’古道’と書かれた方面に、向かいます。

マムシに注意!だそうです。
って結構あちこちに張ってありました。
おのぼりさんが東京に遊びに来て、マムシに咬まれたなんてシャレになりません。

敵の攻撃を阻止するために掘削した堀切。


写真左上あたりに大手門があったようです。
早く復元しましょ。

上から見た堀切。
古道はさらに進みます。

滑りやすいので、注意が必要です。

’曳橋’
敵に攻め込まれたとき、この橋を落として守りを固めたそうです。

橋を渡ると、コの字型の階段通路にぶつかります。
’虎口’と呼ばれ、様々な工夫がされていたようです。
石垣は、当時のものも混ざっているそうです。

登りきると、冠木門が復元されており、氏照の住居があった御主殿跡に出ます。

今はただの広い草原になっているだけです。ここが生活する場であった館が建っていました。
ここからは貴重な遺物の発見もあったようで、意外によい暮らしをしていたのかもしれません。

え!?御主殿跡で、に、日光浴!?
この広さと、秋晴れのすばらしい天気なら、わからないことはありませんが‥

ここにはかつて川が流れており、’御主殿の滝’が存在しました。
落城の際、婦女子や武将が自刃して身を投げたところだそうです。

偶然お話できたガイドさんによると、圏央道の工事のせいで、川の水が途絶えてしまったとのこと。
そういえば以前そんなニュースありました。
たまに流れているそうです。

今度は曳橋の下を通って、管理棟前に戻り観音堂と書いてある方向に進んでみます。

曲輪(城を区画割りしたときに使う用語です。言葉に大きな意味はありません。)を過ぎたところに出てくる観音堂。
ただし、八王子城と関係があるかはわかりません。

観音堂をスタートに、なにやら面白い企画があるじゃないですか。
それが書きたくてここまで載せちゃいました。

近くには、氏照の墓(これも軽い山登りを覚悟してください)や資料館、ゆかりのあるお寺などもあります。
興味がある方は、そちらにも行ってみてください。
次回は、我々も本丸を目指して登りたいと思っています。

正直、これを載せることはタブーなのかと心配しております。
もちろん掲載に他意はございません。思想や言論など何も主張することはありません。
かと言って、遊び半分で載せてよい内容ではないです。

武蔵御陵自体、撮影禁止でもないですし、お巡りさんはたくさんいらっしゃいますが、入場が制限される場所でもない以上、このようなところであると皆さんにお伝えするために掲載します。

すでに、入り口から異世界のような静寂があります。
ここがお墓とは考えられませんでした。

入ってすぐの池。

杉の巨木が並木に植えられています。道沿いは、ちゃんと枝払いして剪定されていました。

この日(お盆の最中)は、行事があったらしく、まず御陵に入るまでの街中にもブロックごとに警官が配置されていました。
我々は式典が終わった後にこちらにお邪魔したようで、ちょうどテントの片付けをしていました。

正直、カメラを向けるのも、ちょっと失礼に思えていました。
だってお墓ですから。

墳墓が4基。
形、規模にそれほどの違いはありません。

相嶋造園