日光TOURS 〜Part5〜
日光山輪王寺・大猷院 (栃木県日光市)
大猷院(たいゆういん)は、3代将軍家光を祀る霊廟です。
「死後も東照大権現のおそばにお仕えする」という家光の遺言に基づいて作られました。
東照宮が神仏混合形式なのに対し、大猷院は仏教形式。
入ってから奥院までの配置は、仏教の世界観に基づいたものになっています。
東照宮を越えないようにということで、装飾や色合いは抑え気味。
ちなみに大猷院とは、後光明天皇より授かった家光の法号です。
実はお子さんより、親父の方が先にふらふら。
しかもここ大猷院は、東照宮より上りがきついので、こちらも覚悟を持って臨みます。
子供は余力を残さず、いきなり体力を使い切って「抱っこ」になりますから、こちらはそれも踏まえて行動しなければなりません。
とはいえ、この親にしてこの子あり、ここまで来たら目的地まで行かねば帰れません!
日光は、子供の行くところのように考えて、素通りしてしまう大人たちが多いのではないでしょうか?
我が家からナビで140キロ。
近いとは言いませんが、お手頃なドライブエリアで、しかもどういうものがあるかを予習してから行くと、今まで子供の目では見えていなかったと思うものが数多く見えてきます。
何も、三猿や眠り猫、鳴き龍が日光ではありません。
もっと歴史や芸術を掘り下げれば、もっとおもしろい日光を知ることになるでしょう。
ぜひ皆さんにも改めて行っていただきたいエリアです。
何より今回は子供の元気の良さにびっくりしました。
ホントにパワーもらいすぎなんじゃないでしょうか?おかげで夜は早めにダウンしてくれましたけど。
家族旅行としても楽しい旅になりました。
日光TOURS最後の場所まで来ました。正直ここまで来られるとは思いませんでした。
逆に言うと、それほどお子様が元気だということ。
どうもここのパワーを一番受けたのは、まだ純粋な子供だったということです。
意外と知らない人の多い大猷院、スパートです。
ここは車が乗り入れらる場所のせいか、道がずっと舗装されています。今は凍っていて慣れない人間には怖くて来られませんが。
今のぞいている石橋は、ちょうど受付をすぎたところにあります。
ここから世俗と区分されて、神仏の暮らす世界に入っていく境界だそうです。
入り口となる楼門。3,2mの朱塗りの仁王様が守ります。
切り妻作り、銅ぶき八脚門。いわゆる仁王門です。
東照宮と同じ12本脚の水盤舎。
かつては天井に彫られた龍が水盤に移り、水盤の龍と呼ばれていました。
妙に手慣れて身を清める泣き虫坊主。
裏手の水路から水盤舎に水が流れ込んでいます。
龍の口から水が落ち、近くには不動明王が鎮座します。
やっぱり雪が好きだそうで。
遊んでたら先進まないぞ〜。日も傾いてるぞ〜。
植えられているのは家綱のお手植えのマキ。さすが年数が違います。別の樹木にははしご状に組んだ支柱が2本添えられています。
入口入ってからずっと並んでいる灯篭、使われるのでしょうか?
仁王門からまっすぐの突きあたりには竜光院があります。
立ち入り禁止なのでぎりぎりの位置からパチッ!
ここから目指す場所までずっと上りです。
臆することなく、坊ちゃんも自らの足で登ります。
今見上げる位置にあるのは二天門。日光山内最大の大きさ。八脚入母屋作りの楼門です。
杉林の中に突然姿を現す華麗さは、東照宮よりインパクトあると言っていいでしょう。
四天王のうち、持国天と広目天がいることから二天門というそうです。
この門を守るのは、持国天と広目天、風神と雷神です。強そうですね!
二天門をくぐると道はすぐ右に折れ、また階段が続きます。
すると踊り場になった一角に出ました。
そこには’展望所’と書かれた立て札が。
天界から、人界庭園を眺めてください、と書いてあります。下には先ほどの灯篭の列がさらに増えた庭園が。
この灯篭が人界の営みと寂寞を感じさせます。
極彩色に塗られた4体の夜叉が守る夜叉門。東・緑・あばつまら、西・白・けんだら、南・赤・びだら、青・北・うまろきゃ。それぞれ色、方角ともに四神相応に守護が割り当てられています。
夜叉門の両側には、鼓楼と鐘楼があります。その周囲には唐銅灯籠が33対66基あり、それは10万石以上の大名から奉納されたものだそうです。
そして、夜叉門をくぐると見えてくるのが唐門。拝殿の目の前にある門です。
大猷院の楼門の中で一番小さいものですが、黒を基調に金や彫刻、繊細な透かし彫りなど気品を感じる重厚さがあります。
灯篭もここに来ると出来が違う気がしてきます。
唐銅製で、しかも繊細な仕上がりにしばし目を奪われます。
それが1基、2基じゃないですからね!
拝殿を外から見た様子。
内部は外より派手で、金が基調です。しかし、この外見の渋さは東照宮より大人のイメージです。
拝殿の外周を奥に行くと、片側が切り立った石積みになった場所に来ます。
この中に奥院があり、多分家光の遺骨もあるのだと思います。
皇嘉門(こうかもん)です。
ここが奥院の入り口ですが、普段は閉ざされていて入れません。中国の明朝の様式で作られています。
あるガイドブックに、まるで竜宮城のような、とありましたが、なるほどですね。
東照宮では感じなかった雪が、大猷院に来てからは普通に感じます。
同じ日光山内にいるのに、なぜか奥日光まで来た気分です。参拝客の数もけた違いに少ないですし。
また急な階段を下りて帰ろうとすると、お子様が「お父さん、家が埋まってるよ!」としきりに叫びます。確かにそう見えますが、元々低い位置にあるポンプ小屋です。
お母さん待ってるよって言っているのにまだ遊び足りないようです。澄んだ清らかな水に心が洗われます。
回廊の欄間は鳩の彫刻で埋め尽くされています。
本来ならまだ慈眼堂や美術館、宝物館など見たい場所が多くあります。しかし半日でこれだけ回れたことを考えれば良しとしなければ、それこそ罰が当たるというものです。今度はじっくり話ながらお子様たちと見て回りたいな。