NPOそい・びーんずの、えだまめ旬宴会の会場としてもお世話になっていた市民会館です。
上花輪歴史館;高梨邸庭園と並ぶ、野田市の歴史遺産です。
某液晶テレビのCMで、吉永小百合さんがロケした場所として知名度を上げました。
併設されている郷土史博物館と共に、ここに掲載いたします。
都心から近い距離にある野田市は、清水公園や枝豆の知名度で、年々知られるようになりました。
しかし、「どこに行けばいいの?」「他に何があるの?」
という声も少なくありませんし、それに答えられる市民も意外と多くありません。
もうひとつの欠点が、車で移動しないと紹介できないスポットが多いこと。
その中で、市民会館のように駅から歩ける距離にあるスポットは、押さえておきたいところですね。
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もともと茂木佐平治邸(醤油醸造家)として大正13年(1924)ごろに完成しました。
昭和31年10月、当時の野田醤油(株);現キッコーマンを経て市に寄付され、同12月24日に市民会館として開館しました。庭園に囲まれた純和風の趣きのある家屋は、瓦、柱などすべて特別に注文したものです。
また、隣接する茶室は、茂木佐平治家の先々代により、明治初期に元の茂木佐平治邸に建てられたものです。昭和初期に解体され、昭和43年には別の場所へ再築、その後、市が寄贈をうけてこの地へ移築し、昭和59年に市民の茶室として開庵したもので、茶会や歌会などに利用できます。
平成9年に主屋と茶室が国の『登録文化財』になりました。また、平成20年に庭園が『登録記念物』になりました。
道路向かいの駐車場に車を止めると、入口はこの表門になります。トラックも入れる大きめな門です。
夏の暑い時期、高い木々の緑をまぶしく見上げながら門をくぐります。
門の両側に何故か置かれている石。由緒あるのかな?その横には、房総の魅力100選の石碑があります。
松に囲まれた屋敷の入口が見えてきました。ぼうぼうすぎて、手入れしたくなる松です。
門をくぐった左手には、郷土史博物館がありますが、こちらは最後にお伝えいたします。
この屋敷の中の見学は、随時自由に行えます。早速上がってみましょう。
来慣れている者にとっては、勝手知ったる他人の家の玄関。お世辞にも広い屋敷ではないので、見るのは簡単です。ボランティアガイドの方がいらっしゃいますので、説明をしていただけます。
当時使われてた水回り。シャワーからお湯が出るなんて、庶民には夢の時代だったのでしょう。今見ると、レトロなおしゃれさがあります。
広くはありませんが、文化財になるだけの造作でもあります。上記は電話ボックスです。真夏の暑さなので、日除けがかかっていて、中からの撮影がイマイチになりましたが。
意外と大柄な茶室。移築するのは大変だったでしょう。ちゃんと待合も別に作られています。
庭園に出てきました。きれいに手入れされた芝生が広がる中、緑の生い茂る空間です。ここは芝生内の立ち入りも自由。イベントで使うこともできます。
屋敷のすぐ周辺に、流れや石組み、灯篭、松などが配置され、屋敷と庭園に一体感を持たせています。元々は水が流れていたように見えますね。
表門から屋敷を通らずに、直接庭に入ることができる潜門です。回遊式というより、自由に散策する庭園と言えるでしょう。
庭園の奥まったところには、以前は水が張ってあったと思わせる枯れ池があります。その周りにある大ぶりの石には、いい具合にコケが育ち、歴史ある庭に感じます。この雰囲気はなかなか好きです。
屋敷も、庭も、茶室も、いいものであるのに、どうも全体の統一感がないのが残念です。
もっと茶室に合わせた茶庭になって、露地が分かれているといいんですが、ちょっと欲目かな。
併設された郷土博物館に向かいたいと思います。
最初に掲載すればよかったのですが、こちらが全体図になります。
案内図右端真ん中に、入ってきた表門があります。どんな歩き方をしても、行きたいところだけ見ても料金はかかりませんので自由です。早足で一周するなら、30分程度で全てを見切れる広さと思ってください。
博物館の入口前です。近代野田市は、醤油醸造を中心に発展してきたことがよくわかる展示物が屋外にもあります。同時に、古来よりの野田の文化的発展も見てとれます。意外とこの地は栄えていたんです。
建物の横には、大型の展示物が置かれています。
右写真は、醤油を絞るためのコンプレッサーと、古代豪族が使用した石棺です。
建物は、中央が大きく吹き抜けになった2階建てです。2階の常設展には、出土品や文献、江戸時代からの醤油作りの変遷を、模型で再現したコーナーなどがあります。1階は企画展のスペース半分、談話室半分といった感じです。
市民会館を名庭のコーナーに入れるか悩みましたが、やっぱりはずすことにいたしました。庭を見に来るというよりは、建物の歴史的価値に付随した庭、のイメージが強いからです。先に記したように、もっと茶庭的に作るとか、回遊式にするとかだったらよかったのですが、市民が利用する目的が強い庭にしてしまったせいかもしれません。