神奈川県内の観賞植物の生産振興並びに県民への花き園芸の普及と植物に親しむ場の提供を目的に、昭和37年に神奈川県農業試験場の跡地に開設されました。
草花、樹木は現在約5,000余種・品種となり、園内に四季折々の彩りを演出しています。
また、平成4年10月に 開園30周年を記念し建替えられた観賞温室では、熱帯・亜熱帯の花の美しい植物約1,300種・品種が通年楽しめます。
20代のころから、鎌倉に行くたび一度足を運んでみたいと思っていながら、なかなか来る機会がなかった場所です。今回、いつもお世話になっている双月さまにご案内いただきながら、春の花の多い時期(5月下旬)に来ることができました。
珍しい樹木や、流行りの花など、予想以上に楽しめる植物園ですよ。
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正式名称は、神奈川県立フラワーセンター大船植物園というのですね。
小雨舞う中ですが、雰囲気は濡れている方がいいです。立派な建物です。
入園料は、年齢や時期によって異なります。学割もあります。最高金額で払っても一人350円。県立ばんざい!です。
ゲートをくぐると、目の前から花がいっぱい。こりゃすごい。見る方も気合いを入れ直します。
入口周辺には、コンテナやプランター植えの樹木がいくつもあります。一般の方への植栽例というわけです。
ウォレマイ松。現存する世界最古の種子植物と書いてあります。ジェラッシクツリーとも呼ばれていたとか。
園内には見どころが満載です。
四季折々、どこかしらに花が咲いているという植栽になっています。
この取材は5月の下旬に行いました。ですので、その時期の見どころを中心に、まぁるく園内をご紹介。順路はないので、撮影したままにお伝えします。
一般家庭で植える参考に、という意識は植物園全体からも感じます。今まで珍道記で掲載してきた成田や、川口の植物園と近いものを感じます。
ただし、こちらは最新の樹木や、オリジナルの植物も展示されています。流行に敏感な土地柄かと思いますね。家庭で使う場合の参考になる樹木は多々あります。実際自分もよく使う樹木もあります。ただし、樹木の特性を調べてから使う方がよいものもあります。
入って左手に広がるスイレン池。今が見ごろの一つ。周りにはジキタリスやユリなどの鉢植えも並べてあり、彩りが大変華やかでした。そのまま左手に進みます。
バーベナの花時計。このへんは植物園のお約束ですね。
新緑が美しいです。
さらに奥に進むと、レストハウスや、展示場もあります。また、椿園やモミジ山なども続きます。
ロックガーデンが出てきました。ハーブを中心に植栽されています。
ここの横に、築山を登る階段と、スイレン池に出る小道があります。どちらも魅力的なのですが、まずは池に行ってみましょう。
白いスイレンも素敵です。写生をなさっている一団もいました。
デルフィニュームや季節の花が多く咲いています。
宿根草の展示スペースもあり、アガパンサスがちょうど花を咲かせていました。ガーデニングの参考になりますよ。
5m以上ある大木の前に、ヒマラヤヤマボウシという看板が立っています。常緑性と書いてあることから、最近出回っている常緑性ヤマボウシの走りだったものでしょう。いち早くこういう樹木も植えていたのですね。
黄色みのかかったガクが通常の色合いとちょっと違います。
大きな樹木も美しい新緑です。5月はこの新芽の色も見どころ。
何の花でしょう?実はこれら全てウツギ。
へ〜、グロボーザの群せいとは珍しい。人気のあるコニファーです。
築山を登って、先ほどのロックガーデンに戻ります。
玉縄桜(たまなわさくら)という、こちらのオリジナル品種だそうです。今は黒い実のみですが。地域色があって素敵な植物園ですよ。
’エレナ’という名前のマンサクです。
ヤクシマオナガカエデ
フラワーパークの中ほどに広がる池。こちらにもスイレンが咲いております。モネを思わせる池です。奥には展示場が。この日はイワヒバの展示会と、サツキの展示会がありました。
さらに奥に桜並木や広場などもあります。
’森の小道’と言うタイトルの付く細道を抜けて行きます。
里山の風景をイメージしているだけあって、落ち着く雰囲気です。
以前は我が家のまわりにも、こういう風景がありましたが、今では区画整理の名の下、趣ある道筋はなくなってしまいました。
ツルもののトンネルを抜けた先には、植物園のメインの一つ、バラ園が出てきます。今が一番の見ごろであるだけに、園内でも一番人手がありました。
まさに見ごろです!雨にぬれた花が、一層鮮やかな色を浮き立たせています。
ここのバラ特集だけで1ページ使ってしまいますね。
バラ園の奥には、ボタン・シャクヤク園があります。こちらは盛りをすぎ、いくつかのシャクヤクの花が残っている程度でした。
これは面白い、竹&笹の見本園もあります。勉強になるな〜。
これから見ごろを迎えるアヤメ園。
入口からまっすぐ続いている水路にあります。
薬草園をぬけ、梅林を見ながら進むと、左手に大きな
芝生の広場がでてきます。
突き当りには温室があります。
広場の花壇は、ちょうど模様替えをしたところのようです。温室に続くアーチには朝顔を絡ませる仕掛けになっています。夏に向けての準備ですね。
これもとても参考になりますが、温室前にはコニファーの見本が多数ありました。
温室はどこも似たり寄ったりなので、省略しようと思ったのですが、意外といいものもあります。中庭にあるオーストラリア園もその一つ。庭植えの参考になる樹木もありますよ。
こちらの熱帯性スイレンを集めたコーナーも一見の価値があります。植物は奥が深いですね。
広場を入口に戻るように進むと、そこにはツツジ園、そして日本庭園があります。無難な作りの中に、基本を散りばめた庭になっていて、一般の方にはいいですね。
他にも、野草やつわぶきなど、園内を歩いているだけで何かを発見します。
おっと、まだ奥にも道が続いて行きます。しかし、今回はこの辺までにして、また別の季節にご紹介していきましょう。