上の子・約4歳8ヶ月、下の子・約1歳10ヶ月。特に下の子が2歳の誕生日を迎える前に、そして3番目の子供が出てくる前に、親子で成長する’何か’をしたいと考えていました。
正月を過ぎた吉日、窓から見える筑波山を見ながら、いつかあの山を登ることに挑戦するのなら、無謀でも今行ってみるかと決断。
筑波山周辺は見所も多いです。今回の挑戦を今後の計画にも活かして、シリーズ化をする予定です。
きっとこの山を降った時には、今以上の成長があると信じていましたが、そんなに気負う必要なかったみたいです。
子供は勝手に成長するんだな、とうれしいような寂しいような。
最初に書いたように、今回のタイトルに女体山をつけたのは、後に男体山も載せるつもりだからです。
我が家からは近くて楽しい筑波山観光、これからもどしどし掲載していきます!
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そんな今回のテーマは、極限状態における団結力の強化です。
行きはロープウェイで女体山山頂まであがります。そして、山頂から歩いて戻る計画です。
上りの方がいいのでは?という話もありましたが、筑波山は低い山でもバカにできない勾配と岩場の山です。子供を持ち上げながら登るより、重力に逆らわない方が楽かと。
子供たち自身、自力で登るのは不可能ですから、下る方が体力的にも楽だと思います。
しかも、疲れきってロープウェイ乗っても、景色を楽しむ余裕もないんじゃつまらないですし。
当初、親子3人男旅を決め込んでいたのですが、さすがに無謀な計画に、身重の奥様の代わりに、我が家のばあばが参戦。普段一緒に仕事しているので体力もありますし心強いですが、あてにしてしまうのがいやだったので迷いました。
と言いながら、結局お願いすることになります。
つつじヶ丘のロープーウェイ乗り場に到着です。以前珍道記に筑波山を掲載したときはふにゃふにゃの長男でしたが、4年前とは違うたくましさです。
今回はエクシーガの峠走りも楽しみの一つ。ミニバンとして大切な居住性を犠牲にした対価は、こういう山道でよくわかります。タイヤの消耗を抑えながらの運転なら、これで十分な性能です。横滑り防止装置付きの四駆は、素人もここまで走らせてくれるんだな〜。
前回掲載した筑波山の記事を読まれてから見ていただくと、より親しめるかと思います。
左側の角見えますか?目指す山頂はあんな遠くにあります。野田市周辺のの子供たちにとって、遠足と言えば筑波山。身近すぎて当たり前の存在になっていますが、知らない方には少し説明がいりますね。
筑波山は、関東平野の端っこにある山です。この裏手に低い連峰が続きます。遠くから見ると、二つのとんがり頭で、東京方面から見て左が男体山、右が女体山。日本百名山中最も低い山でもあります。この山は火山ではなく、地形が隆起してできた山だそうですが、産出する筑波石は花崗岩として広く庭に用いられる高級石材です。
こちらがロープーウェイのつつじヶ丘駅。女体山駅までの1296mを6分で結びます。以前と代わった?と思ったら、平成16年に入れ替わり、今では71人乗りの大型で、かつスピードが早くなったようです。片道チケット600円。6歳未満は無料と嬉しい料金です。
紫外線対策?何故かロープーウェイの窓ガラスが黄色いので、ちょっと画像が黄ばんでいます。ロープーウェイは2機が交互に行き交うシステムです。こちらは白色、対向機は赤色です。途中で手を振りあってすれ違います。
写真中央下あたり、建物の先に続いていくのが、つつじヶ丘から女体山に向かう登山道。いきなりきつい勾配が続くので、気を張らないと最初の10分でバテバテ。とはいえ、山頂まで大人なら1時間もかからず登れますので、他ルートからすると半分です。
望遠カメラに付け替えたら撮れたんですけど、遠くにスカイツリーや富士山も見えています。真下には、筑波山神社入口の鳥居も見えます。いつかあそこから登ってきたいと思います。こう見ると下のほうだな〜。
女体山山頂が目の前に迫りました。右側の一番高い岩場が頂上です。山頂というものは、得てしてその程度のとんがりすよね。遠くから見るとなだらかな稜線の山ですが、近寄ると凸凹なんですね。ロープーウェイの駅の下には展望レストランや売店があります。6分なんて乗っちゃうとあっという間でした。
駅に到着。早速記念撮影です。展望台奥にそびえるのは、筑波山・男体山何故か女体山より6m低い871m。二つの山のくぼみにあるのが、ケーブルカーの駅、御幸ケ原。かたくりの群生地もあります。
では、ここより山頂を目指します。山頂駅から、女体山山頂に向かっては、コンクリートで作られた、整備された登山道があります。一気に狭い山頂までの勾配を登るので、急坂でくねくね続きます。先ずは体慣らしということで、ゆっくりと登っていきます。ペースを保って、歩幅を抑え目にゆっくり登るのが疲れを少なくするコツです。しかし、ペースを乱してすでにグダグダし始める子供たち。
ようやく山頂にある神社が見えてきました。石も固まりが大きくなったように思えます。しかも斜面も最大角に。下の子は歩くことが困難なので抱きかかえながら登ります。
神社で安産祈願をしたら、その上にある山頂までさらに登ります。この先はかなり狭く、すれ違うのにも注意が必要です。
まだここは序の口。手すりの間から関東平野を一望です。なにせ、ここから東京方面は山がありません。晴れていればどこまでも見えそう。気持ちい〜!
下の子を抱えながらの撮影なので、いまいち迫力に欠けますが、この岩場に手すりは1面だけ。あとはむき出しの岩場です。標高のない山なのに、迫力満点なのはこういう所にあります。よく事故がないなと感心します。最近の登山ブームかやけに混んでいて、もう少しいたいのですがそうもいかないようです。
これより徒歩でつつじヶ丘を目指すことにします。こちらの天の浮橋を抜け、登山道に入ります。看板によると、ここから70分の所要時間になります。
つつじヶ丘方面の道は一番わかりづらい所にあります。まるで窪地。みたいな崖が入口なんです。
あまりの急斜面に、鎖までついています。大変だった記憶はありますが、こんなに険しい山っだのかと反省。
片手にカメラ、もう一方には子どもを抱いて無事に山を降りられるでしょうか…?
こんな岩場が行程の半分を占めます。「こんなの降りられないよ〜。」文句を言いながらも頑張る上の子。下の子はほぼ抱っこ状態です。抱えて写真撮りながら岩場を軽快にポンポン降れる自分に、まだまだ若い!と思い込ませます。
はるか下に見えるゴールのつつじヶ丘。まだまだ先は長いので、こまめに休憩です。本人気づいていませんが、すごく崖際に腰掛けているお子さん。筑波山って本当に石でできた山なんです。
石にへばりつきながら、件名に枝を伸ばす草木。ここでも改めて岩でできた山であることを実感します。そしてこの中で頑張っている姿に感動します。
このつつじヶ丘までのルートは、筑波山随一の石の芸術が点在するエリア。これから降りる順に掲載していきたいと思います。
まず出てくるのが、こちら大仏岩。名前を見ればおわかりですね。高さ15mあるそうです。
これは子供たちにもよく理解できました。
大仏岩から、すぐ降ったところにある素戔嗚尊を祀る社。参拝するにはちょっと脇道になるので、素通りする方も多いです。本当に石がでかい!
社の裏手にあるのが屏風岩壁みたいです。
その上にロープーウェイの鉄塔が立ち、山頂駅がよく見えます。ここは実は撮影ポイントかも。
女体山山頂が真上に見えます。ちょうどロープーウェイが通貨です。
最初ほどグダグダが減ったようです。こどもは順応性が早い。段差にコツをつかんできたようです。ばあばがいなければ、撮影は100%無理でしたわ。
急な岩場を下る途中に出てくる、北斗岩。天空にそびえる北斗星のようにけっして動かないことを意味して名付けられたそうです。…看板読んでもいまいち意味がわかりません。
北斗岩の前で記念撮影。楽しそうな子供たちです。休憩してさらに復活!
急になだらかになった道に物足りなさを感じつつ、元気に歩く二人。凹むのも早いけど、立ち直りも早い。
石を乗り越え、正面に登場するは裏面大黒です。袋を背負った大黒様の後ろ姿ってイメージなわけです。
石の形が、入船と出船に似ているところから、出船入船と呼ばれています。
また難所が登場。しかし、今までの経験で鎖を使っての急斜面降りも冷静に対処しています。成長したね!楽しさも感じているようです。
難所の途中で出てくる陰陽石。二つの巨石がくっついているので、陰と陽に見立てた名前です。名前をつけたくなるほど、立派な石が多くあるんだなと思います。
降ったところに出てくる胎内潜りの岩。岩を抜けることで、産まれた姿に立ち返ると言われています。
左写真は、ちょっと脇道ですが、神々の世界を意味する高天原と呼ばれる場所です。上には、天照大神を祀る社があります。行くにはかなり急な階段を登ります。
筑波山で一番有名な、弁慶七戻りの石です。古来、石門と言うそうで、聖と俗とを分けた門を意味します。山頂から来た我々は、ここから俗に戻るのかな?
確かにここから足場が変わります。大きな石がなくなると共に大木が増えました。左写真は、途中倒れていた木の年輪が書かれています。数百年ものですね。
休憩場所を兼ねた広い場所に出ました。ここは登山道の分岐点にもなります。下の子もおむつ替えしましょう。看板によると、ここから山頂まで800m、つつじヶ丘まで970mです。まだ半分来ていません!しかし、このあとは今までのような岩場はそれほどありません。実際の時間的にはすでに半分以上来ているのです。後は子供たちがどこまで元気に歩けるか、です。
急さは変わりませんが、石の大きさはかなり小さくなりました。その代わり土の面積が増え、土留めをしてある道を下ることが多くなりました。今までと違って、土で滑ることが課題です。一歩づつ慎重にね。
歩くのがかわいそうな根の盛り上がった道。山に生えるのは大変です。
しばらくして視界が開けました。つつじヶ丘高原まで来ました。ドウダンツツジやヤマツツジなどが群生しています。花時はすごいぞー!
はるか遠くに見えていた駐車場が目の前に!この急斜面を一気に降りればゴーーーール!!ですっ。一時うとうとしていた下の子も、急に元気に復活。自力で降りだしました。
目の前にゴールが迫った瞬間、「やっほ〜!」と下の子が叫びます。?普通は君、山頂もしくは高いところでやるもんでしょ?今までその技隠していたなんて、彼の個性も今後の楽しみですね。
ご褒美のジュースに喜ぶ二人。あのてっぺんにいたんだよ。お父さんはあれを降りてきたんだと思うと涙腺緩んでくるのに、子供たちには単なるいつもの遊びです。疲れているのかと思ったら、楽しかったようでとっても元気。「今度はいつ来るの?」だって。とりあえず寒いから車の中でお昼の続きをしよう。
帰りがけに寄った筑波ハムでも二人とも大はしゃぎ!隣で造成工事をやっていたので、建機を探して走ります。「見てみて!」誰よりも早く駆け寄ります。元気が何よりだと思わさせられる旅でした。
それにしても山っていいですね。すれ違う人が皆、挨拶をしながら行き交うなんて。特に子連れの我々は多くの方から「えらいわね〜、将来楽しみね〜。なんて言われ続けていい気になっておりました。