中世ヨーロッパの庭園と建物を模した本格的作りの施設です。
歴史的に貴重なオルゴールを扱っていたり、高価なヴェネチアガラスを主体に展示されていたり、こだわりが感じられます。
どちらも同じ系列会社で運営されており、共通チケットがあったりもします。
撮ってきた写真だけを追っていると、確かにこれを’名庭をゆく’に入れてよいか悩みました。
どちらの施設も、メインはオルゴールやガラスの展示物です。
その展示物を収めた、素晴らしい建物をつなぐ役をしているのが、庭です。
ですから庭を見に行く、ということを一番の目的で訪れることはないでしょう。
しかし、自分がこちらの庭を一目見て、歩いて感動したことも事実です。
演出や技法に突出したものはなくても、人に感動を与えられることは、一番大事にしたいこと。
ですから自分はここを’名庭’と呼びたいと思います。
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中世ヨーロッパ風を主題にした施設は、ここまで来なくとも近くにもあります。
しかし、この2施設ほど、大規模に本格的に作りこまれた場所は少ないです。
どうしても日本庭園が主になる名庭ですが、民営の施設とはいえ、こういう洋風な作りの庭もどんどん取り上げたく、名庭がゆくに掲載することにしました。
上記で記したように、どちらも’うかいグループ’の運営です。ですのでページを分けず、同ページに続けて掲載いたします。
また、ここは建物内もすばらしいので、そちらも場所によって一部紹介いたします。
中央道河口湖I.Cを下りて、河口湖大橋を渡り、河口湖の湖畔沿いに進路をとると見えてくる建物。
おしゃれな外見と警備員の数に、入る前から期待感が高まります。1月中旬の平日に来ましたが、広い駐車場にかなりの車が止まっています。
樹木は針葉樹を基調としています。実際それがヨーロッパというわけではありませんが、雰囲気はあります。
その下に、あしゃれな花々のオブジェなどが飾られています。
石畳の模様も凝っています。こういうものって時代や地域性があるのでしょうか?
こちらがエントランス。いい感じでしょう? これより中に入って行きましょう。
通常は大人1300円です。ネット割引や次回特典などがあります。
館内案内図。こじんまりしているように見えますが、館内の見所も多いせいか、かなり歩きます。
エントランスから続く水辺の風景です。
左写真が、幅13メートル、高さ5メートルという世界最大規模のダンスオルガン(自動演奏機って感じでしょうか)。オーケストラのような演奏の中で、43体の人形が動きます。
30分ごとの演奏なので、それに合わせて戻って来ました。
このオルガン用に、建物を作ったそうで、やけにしっくりくるわけがわかりました。
こちらでは結婚式の披露宴なども行われているとのことで、もし近くにあればこれは間違いなく候補に挙がる場所です。
もう無理ですけどね。
このホールには他にもすばらしい品物が数多くあり、スタッフが随時説明と演奏をしてくれます。
橋、欄干、どれを見ても、同じものがありません。仕様を変えることで、見る場所ごとに表情が変わります。日本庭園とは違う広々とした空間の見せ方ですが、飽きさせないように考えられています。
右写真は、水の中に立つクリスタル花火というオブジェ。ライトアップされる夜に欠かせない光ファイバーのヤシの木です。
起伏のある芝生に、独特のオブジェがあります。庭と言うより、一つの集落というイメージに近いですね。石畳を歩いていると、次はどんな建物に行きつくのか楽しみです。
集落の奥まった部分というのにふさわしい列植が現れます。湧水をイメージさせる噴水もおしゃれです。
河口湖が臨める小さな教会。オルゴールの森のシンボルとのこと。
一番大きな橋の先には、カリヨンの広場があります。そこはヨーロッパの町によくある小さな中庭のような場所。
ホットチョコレートが売っており、すぐに飛びつきました。ちゃんとチョコレートを溶かして作られております。
時報とともに、人形と噴水がおどるカリヨンの時計台。
歩く道ごとに、飽きさせない’何か’が見てとれる庭です。
ピラカンサの赤い実も鮮やかに映えます。このまま再び室内へと入っていきます。
こちらのオルゴールミュージアムには、建物の豪華さに負けない、すばらしい品が多数展示されています。スタッフが随時演奏・説明してくれるのはこちらも同じです。
ミニチュアのオルゴール館はまさに圧巻!一見の価値ありです。
左写真は、タイタニックに載せるはずだったオルゴールたちの前で、チェコの演奏家たちによる管弦四重奏が催されておりました。大感動!です。
雨が少し降りだしました。出口に向かいながらバラガーデンに入って行きましょう。
さすがにまだ冬なので、バラも枯れ木のよう。春が待ち遠しいですね。同じ枯れ木でも、サルスベリの大木がその存在感を見せていました。小さな池も氷が張っています。
箱根ガラスの森美術館
オルゴールの森を訪れた翌日に訪問しました。
さすがガラスの森というだけあって、入口からガラス細工いくつもあります。偽木でできた幹に何粒ものクリスタルガラスが飾られています。
アセビの大木が入口前でお出迎え。
箱根の丘陵地帯に作られた施設です。凍った雪による化粧された山々が美しいです。
ヴェネチアをイメージした建物なのですが、ヴェネチア行ったことないですからね。
上記池の中に作られているのも作品’パラッツォ・ドゥカーレ・シャンデリア’。もちろんヴェネチアン・ガラス。下記に近づいたところの写真があります。
入口の建物を園内に出ると、いきなり見下げるように庭が見えます
ガラスと言っても不思議な柔らかさと温かみがあります。
園内の樹木が思った以上に和風なのにびっくり。シダレモミジや松の大木などうまく日本が溶け込んでいます。
姫シャラ、タマリュウ、西洋シャクナゲ…園路には玉砂利も敷かれています。
でも不思議と日本庭園にはなっていません。個人宅にも応用したい技。
渓流の上に作られているため、わき道にそれるとアップダウンが激しいです。その分楽しめます。思った以上にガラス作品がたくさん風景の中に存在することが新鮮で、アーチスティック。
さらに下りの道筋があり、下方には川も流れています。この周りには色々な種類のあじさいが植えられていました。時期になるときれいでしょう。ガラスのアジサイもあります。
放し飼いのカモが歩いています。全景を見ると洋庭なんでしょうが、明治時代に見られる、洋館と日本風の庭園の融合がそこに感じられたりします。
まるでおとぎ話の中の建物のよう。アチェロという水車小屋をイメージしています。裏手の山がまた幻想を誘うのでしょう。
上記写真の左手に滝のように見えるオブジェ(何枚か上の右写真が全景) 、ガラスのアートです。8mの高さがあり、110,000粒ものつなぎあわせて作られています。
カスカータ(滝)というタイトルが示す通りの作品です。特別作品として飾られているらしく、常設ではないようです。
奥に見える山は実は大涌谷のようです。霞ではなく噴煙らしいです。
大変手の込んだオブジェこれだけモザイク状にタイルを張るのは見事です。また、細かい玉砂利で模様を描いてるテラスもグット!
昼食は園内のカフェテラッツァで。イタリアンレストランですね。本格的でおいしかったです!ここのサービスは、イタリア人歌手によるカンツォーネの生演奏。やっぱライブはいいですね。席を回って歌ってくれたりしてサービス満点。
こちらのレストランからの眺めはなかなかいいですね。この池を中心に園路と建物がつながっていきます。
この美しい水車小屋は、ジャム工房になっております。
ガーデンシクラメンの寄せ植えががきれいです。
園路はもちろん石畳なのですが、ごつごつした感じではなく、色を混ぜた石をなるべく平らに乱張りしてあります。歩く人への配慮でしょう。縁石代わりのコニファーの低木も柔らかさと庭との自然さがあっていいですね。
一番奥まった位置にある体験工房。密集させて植えられた樹木と自然の高木が、森の一軒家のようなイメージを作っております。
池から生えたクリスタルガラスの木’フォンターナ(噴水)。園内で一番大きな作品です。カスカータと同じ特別作品。
歩けるスペースはさほど広いとは言えません。その分何度も同じ道を歩きながら、違った発見があります。
庭を推し量る上で大切なものの一つに、樹木の古さがあります。支柱を立て、苔むした味わいのある樹木最高ですね。
貴族の屋敷に来たようエントランス。照明器具がですね、どれも豪華なんです。
ちょうどエントランスの真下に出てゴールです。