奥の方に目を向けても、下を向いても、気になるものだらけ。思わず自分の靴も入ってしまいましたが、この石畳の一部、もとは何でしょう?とても参考になります。
 歩くところで園路の様子が変わります。後から直したものもあるのでしょうけど、最初から多くの材料を使っていたと思われます。そういうものをできるだけ載せていきます。

 遠回り気味に歩きて来たので、ようやく一つ目の茶室が見えてきました。モミジの紅葉がはじまり、秋の景色が映し出されます。

 いまだに水が沸いているのでしょう。あちこちにそういう場所があります。都心と言う感覚がなくなります。

 正面の建物が美術館です。前回撮っていた写真がフィルムのものだったため、使えると記憶していた写真が使えませんでした。思った写真がなくて残念。

 閑中庵・牛部屋。ここには水琴窟がありますが、残念水が出ていませんでした。どんな音が響いたのかな?我が家も施工したことありますが、なかなか思うような音は出ないのです。

 水辺を越えて、再び上りに入ります。どこまでも深い緑。木の種類も豊富です。

斑鳩庵・清渓亭。こちらの庭園の建物は、どれも移築されたものですが、そういう残し方もいいですね。

小河を渡って先へ進みます。園路が細いので、譲り合いながら行き来します。

 庭の中に散りばめられている仏像や石碑は、そのままコレクションなのでしょうか?数多く存在します。ここまでの数は他にはありませんね。

 ちょうど谷になったような場所なので、階段も多いですが、石をふんだんに使って土抱えをしていることも特徴でしょう。 美術館から降りてくるすぐのエリアでは、モダンさを強く感じます。

 こういう添景物の説明をしてくれる方と一緒じゃないと、下手な説明は書けないなと思ってしまうものばかりです。とりあえずもう一周したいな。

披錦斎・一樹庵

 ここは庭園の中でも一番低い場所でしょう。水生植物の生い茂る茶室の前から、その先の小川まで色々な表情が見ることができます。 
 時おり鹿威しが風流な音を奏でております。のどかな田舎の風景です。なんと落ち着く庭園でしょう。

 石組みなどの造園技術と違い、こういうものがここに集中していることに意味を見つけるのは無理です。ですので、解説はなしで。

 見るところのどこでも、風情を感じる写真が撮れます。右が全体写真。下方向に広がる庭園があり、好きに散策できます。ここは一筆書きに周るのは難しいので、好きにぶらぶらあちこちゆっくり見たいものです。

 ここには多くの外国人観光客の方がいらっしゃいます。3割は外国人かと思われます。オリエンタルな雰囲気を感じるにはとてもいい場所です。本来は、日本人ももっと訪れて欲しい場所です。

根津美術館・日本庭園(東京都港区)

 美術館の建物前に戻ってきました。長かった〜のかな?ここに来ると庭園の中とは違う世界みたいに感じます。

 木が大きい!とにかく緑にあふれているこの庭園、ちょうど下りきったあたりから水が庭を割るように流れて行きます。渋谷に近いこの地。昔は周囲もこんな感じだったのかもしれません。

 登り切った奥には、モダンなカフェがあります。時間があったらぜひ寄ってみたい場所です。

 庭園には建物を通って入ります。時間が遅めなため、全体が暗くなってしまい申し訳ありません。急ぎます。

相嶋造園

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根津美術館は、実業家である、根津嘉一郎氏のコレクションの展示場として建設されました。
ここは元々大名の下屋敷のあった場所で、荒れていた庭園を根津氏が数年かけて造園したそうです。
茶人でもある氏が、庭園内に茶室をいくつも建築しています。

 2本の石柱が、庭園の入り口になっていると思われます。今度はこちらから入って行こう。良く見れば、パートパートで違う素材を意識しているのかな。

 高いポジションに来ると、視界が開けます。ここからじっくり見下ろしていたい落ち着き感。ですがすでに薄暗いので、急いで先を進みます。

 平成に入ってからの新しい美術館の建設とともに、飛び石だった園路を石畳に置き換えたそうです。この石塔のたくさんエリアも、以前は飛び石だったのかもしれません。

根津美術館にある日本庭園は、ここらしい個性をとても感じます。
コレクションとしてあったものを、庭園に散りばめていることもありますが、それ以上に、作りこみすぎていない庭園であることがわかります。
自然の中の散策のように見せながら、しっかり庭としての工夫も感じる場所です。
何より、開けた空間ではなく、この中にいると周囲の建物を感じないことが、都内の庭園の中では最大の違いでしょう。
どうしてもここの場所が、繁華街とは別方向のせいか、知っている人しか訪れないスポットに思えるのが残念です。渋谷や原宿に来たなら、ちょっと足を延ばしてぜひ寄ってみてください!

 入り組んだ園路を登って行きます。突然出てくる添景物に立ち止まり、庭の変化に見入ってしまいます。

 半分朽ちていながら、存在感抜群な屋形船。欠かせない撮影ポイントになっています。

 庭園の外周には、舗装された道があります。しかし、ここもしっかり対になった動物の彫り物が置いてあったり、趣向を凝らしているのは変わりません。この道の両端にも見どころがあります。(すいません今回は行っておりません。)

 茶室だけではなく、建物も付属されています。ここでおもてなしなんてされたら、それだけでクラッとくる場所ですね。

弘仁亭・無事庵