手前の方は、平面的な芝庭です。植物主体で植え合わせがされています。空間が開けたところ、密集しているところ、回廊を歩いて行く中で、見え方も変わります。茶室も出てきました。竹垣での仕切りもここだけ。
すでに左写真の、緋毛氈の敷かれた回廊の外には庭園が広がっています。この庭は、外側にめぐらされている回廊から眺めるようになっています。それが元からなのか、庭が踏み荒らされるのを考慮してそういう道を作ったのかはわかりません。休憩スペースにはテーブルと無料のお茶のサービスもあり。
この庭園の素晴らしいのは、使われているのが天然の材料ばかりなところ。毎回作り直すのでしょうが、本物の味わいは素敵です。
まだ寒さの残る3月彼岸の中日、仕事の帰りに子供たちと柴又に来ています。河川道路で、空いていれば家から1時間で来られる立地と、その道路から河川敷の駐車場までスムーズに入ることができるが魅力です。ちなみに左写真の建物真下が、寅さん記念館。
柴又は、免許を取りたての頃から来ていた場所です。
20代という意味では年寄りくさい趣味ですが、神社仏閣巡りが好きでした。
帝釈天の彫刻は本当にすごい。そればかり目当てに来ていましたが、実は柴又にはこんな素敵な庭園が2園もあったのです!
正直こんなすごい庭園だったのを失念していて、久しぶりに寅さんに会いに来てよかったと思いました。
2園とも回遊式ではないので、子どもたちが汚れなかったというのもすごい庭園でした。
庭に触れるという意味では、中を歩ける庭園の方が好きです。
しかし、庭に入らないで見ることを念頭に庭を作るなら?
という気持ちで庭を見るのも、庭師としてはいい勉強です。
どちらの庭園もお茶を飲みながら座って鑑賞できます。これほど贅沢なカフェもそうないと思いますよ。
同じ位置から撮影しても、庭の表情が変わるんです。しかも、直球ストレートの庭です。四季折々の花々で彩るとかありませんから!
帝釈天自体の特集は、ショートショートに掲載していきます。ここでは庭園にスポットを当ててご案内いたします。
二天門をくぐり、本堂あるケヤキ造りの帝釈堂にあがり、外回廊を進むと、一番奥に庭園が広がります。こちらは別料金になりますが、見る価値ありです。また、本堂の彫刻も行ったら見ずには帰れない芸術品です。
早速、主庭を拝見に中へ。100円で入場できるお手軽さもいいです。建物内の見学をしながら500円から喫茶が楽しめます。部屋の中はコーヒーのいい香りに満たされています。多くの方がこの雰囲気を楽しまれていらっしゃいます。
建物越しに見る純和風庭園が期待感を高めます。
葛飾区柴又、寅さんも産湯につかった帝釈天。
そのそばに大きくはありませんが存在感ある山本邸。
この2か所に、すばらしい庭園があることご存知でしたか?
何度か訪れているにも関わらず、自分もこんなに素晴らしい庭園だったことを失念しておりました。
早くから取材に来るべき場所でしたが、ようやくここで2か所同時に特集いたします。
’すいけいえん’、と彫られている石が置いてる園路が、庭を歩く入り口なのでしょう。この漢字はパソコンで出てきませんでした。本来は中を歩く庭園だったのでしょうか?それにしても、裸足で庭を一周できるなんて。しかも雨でも大丈夫!の回廊の下を歩くのです。京都ならいざ知らず、都内近郊にはこの規模ではないでしょう。大変堪能させていただきました。
日蓮宗、経栄山題経寺と言うのが正式名称。こちらの本尊である帝釈天は、板に書かれた(彫られた?)ものらしいです。庚申講とともに栄え、昭和期には映画の寅さんゆかりの寺として名をはせ、今でもその賑わいは続いています。
園路の切り返しがうまいですね。直線で作らずに、四角を強調しながらもうまく道を変えています。何気ないですが参考になります。立ち入れませんでしたが、茶室の露地も魅力的です。
この竹の下にあるものは、なんと防空壕。
このあたりも大空襲の被害が大きかったのでしょう。戦争を語る大事な遺構です。中はのぞけませんが。
広さが感じられる植栽。玄関前とは違うイメージを作り出しています。
あ、寅さん!と思いきや、山本邸の建物の中に消えて行きました。ファンなのか、芸人さんなのかは不明ですが、このキャラクターは一生不滅でしょう。残念ながら子供たちにはわかりませんでしたけど。
ここは帝釈天方面に通り抜けができる園路にもなっていて、誰でも自由に歩けます。
へ行く
静から動へ、庭が変化していくのがよくわかる素晴らしい造りです。それを統一感ある植物や石で表現しているのが、奇をてらわずまた共感が持てます。
山本邸を出た途端、造園屋さんがあります。ホイールローダーと、なんとカニクレーンが作業中!子供たちは大喜び。
寅さん記念館の真上、ツツジの丘を下ると、正面が山本邸です。立派な長屋門が見下ろせます。駐車場→記念館→山本邸→帝釈天→お土産屋さんとゆるゆると歩きながら回れるいい散策ルートなんです。
柴又、2大有名庭園散策 (東京都葛飾区)
昭和の名高い庭師、永井楽山による設計の、すい渓園という池泉式庭園と書かれています。昭和40年とあるので、思った以上に新しい庭園なんですね。
回廊を半分行ったあたりから急に庭の表情が変わりました。回廊の下まで続く池が現れます。池泉式と言いながら、池が最初から見えてこないあたりの演出は憎いです。
着いて早々に素晴らしい庭園を堪能してしまいました。さらに次に行ってみましょう。
池の奥には滝もあり、音だけが聞こえています。書院式庭園と書いてあるのでそういうことで話を進めていますが、回遊式と言われてもわからない出来です。
歩いた順番で掲載すると、先ずは山本邸からご紹介いたしましょう。
山本邸は、元々カメラ部品メーカーの山本栄之助氏の邸宅でした。大正末期に建てられた、和洋折衷のすばらしい建物です。今は葛飾区が買取り、管理しています。
中でも、270坪ある書院庭園は、アメリカの日本庭園専門雑誌による日本国内の庭園ラインキングで、2014年度は第3位に選ばれる実力の庭園なのです。
足立美術館、桂離宮についでの3位!評価の詳細知りたいです。
中央にある池から四方に趣を変えて庭が広がって見えます。
外観からでもよくわかる和洋折衷の建物です。
回廊の屋根を越える位置に松が伸びます。なんてダイナミックな演出に変わるのでしょう!?
今度は山の中に引き込まれています。御神水でのどを潤し、最後の道行きを楽しみたいと思います。
なるほど、表からでは見えない顔が回り込むと現れるんですね。
ちょうど裏手に回り込むあたり。今まで植物主体に見えていたのですが、池の出現と共に石も目立つようになりました。
何やら素晴らしい松の木の多いこと。この地は、野田のように松毛虫の被害が少ないのでしょうか?
松の重なりが、奥深さを演出しています。
こちらは中庭です。ここもシンプルですがよくまとまっています。細かく手入れされていますね。
今回掲載はしていませんが、建物内も興味ある方多いと思います。一度訪れていただけるのが一番かな。
書院式庭園とは、書院作りの建物に付随する庭園です。
書院作りというと難しく聞こえますが、畳の部屋があって、床の間がある、いわゆる今の和風建築と思えばいいのではないでしょうか。いつも行く大名庭園のように、庭の中をあるいて巡るのとは違い、建物から出ることなく、中から見て一番良く見えるように設計された庭になります。ですから庭自体もコンパクトに作られており、また、建物自体も庭を見るのに適した間取りに変化したりもします。
コンパクトになる分、中身は凝縮されています。こういう庭は、縁側に座ってのんびり楽しむもので、その目線も考えられて作られているので、こういう喫茶室の使い方はうまいなと思います。
こけの生え方が素敵です。これって維持するの大変なんです。日当たりいい場所だと枯れてきちゃいます。
梅の花がきれいに咲いています。この無料で歩ける園路だけでも、雰囲気があります。特に松が多いですね。