関東平野をぐるっと囲む山々の中でも、都心からでもわかる山の一つが筑波山。
江戸の人々から’西の富士、東の筑波’と呼ばれる時代もあったそうです。
その筑波山の守り神を祭るのが筑波山神社。
そして、山頂を目指すロープーウェイ乗り場があるところがつつじヶ丘です。
筑波山は、我が家から約50キロの距離にあります。毎日自分の部屋から見ている山です。
都心に行くよりちょっと距離がありますが、下道でも道が整備されていて走りやすいので、よくドライブや観光に行く馴染み深い場所です。
今回は、茨城の知り合いの家に行きがてら、泣き虫坊主と共に初の遠出(なのでちょっと心配)。
紅葉のはじまりかけた山を一緒にご案内します(ただし中腹までね)。
思ったよりページがかさんでしまいましたので、前・後編に分けて掲載したします。
子供を抱えての山歩きは楽ではありませんが、親子共に初遠出にうきうき。
このまま寄り道を繰り返して車に戻ります。
そして、同じ筑波山ですが、雰囲気のがらりと変わるつつじヶ丘に行ってみましょう。
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家から1時間半で、目的地到着。
こぶが二つ見える山が筑波山です。
中腹に見える建物周辺が、神社本殿付近。
紅葉祭りののぼり旗が道の脇に見えてきました。
こぶの右側が標高877m女体山、左が標高871m男体山です。角度によって見え方が違います。
1000mにも満たない山ながら、その手軽さと自然豊かな風景が魅力で、ハイキングでも1年中賑わっています。
そのため自然道も幾筋も整備され、新たな施設や観光ポイントもつくられています。
また、山自体が御神体とされている信仰深い山でもあります。江戸時代には、鬼門封じとしても利用されたと言われています。
このルートで行くと、まず筑波山神社が先に着きます。
朱塗りの大鳥居が見えますので、そこをくぐると参道に入ります。
お母やんにおろされて、泣き虫坊主登場。寝起きなので仕方ないけど、珍道記初登場なんだから笑顔でね!
山は結構紅葉しております。駐車場から望む女体山の山頂。ロープーウェイの駅があります。
神社拝殿のそばには、日本の道100選に選ばれている小道が階段まで続いています。この道は、麓からまっすぐ駆け上ってくる狭いながら迫力ある道。民家の間を抜けてくる道ですので、通行はくれぐれも安全運転で。
つくば道を横目に、正面の鳥居を目指します。
広葉樹の大木も色づいていてダイナミック。その下で、まだ萩の花がわずかに残っていました。
回り込むように進むと、拝殿正面の参道につながります。正面に見えているのは、’神橋’という県指定の文化財。
神橋は、江戸初期に作られた歴史的建造物。毎年春と秋に催される祭のときに渡ることができるそうです。
行楽マップ看板を発見。
神社は一番下にあります。こう見ていると、山頂まで登って行くの楽しそうだな。幾通りも登り方があるんですよ。
拝殿手前にそびえる’隋神門’。周囲には杉の古木が目立ちます。
夫婦杉に大杉だそうです。まさにご神木です。
こちらは仁王様ではないのですね。古事記から抜け出したような武者です。門の前で菊の展示も行われていました。順位も付けられています。
何も説明がない門なのですが、すばらしい建築です。
拝殿が目の前に出現。横には池があり、池上に厳島神社の筑波山神社の境内社があります。
拝殿到着です。ずっと登りだったので結構疲れました。ベビーカーは最初から使えないと踏んで持って来ず、交替でだっこ。
出世稲荷ですって。それはお坊ちゃまのために祈願してこねば。奥様たちは下で待機。
裏手に回ると、ご神水の湧水があります。さらに急な登りになって、山に入っていく道になっていきます。
なかなか雰囲気のある場所でした。
この上がケーブルカーの駅でもあります。
この間、奥様が何をしていたかというと、お坊ちゃまの人生初おみくじをひいておりました。結果は…すごいですね、いきなり大吉ですか!さすがお釈迦さまと同じ誕生日!っとここは神社なんで関係ないですね。
とにかく吉報です。
「父ちゃんよ〜、俺さま誰だと思ってんだよ〜。大体撮るならファインダーに入るように写せないのかよ〜。」
いつも庭先の植木の間を歩いているせいか、菊の花に興味をお持ちのようで。お母さん疲れるからやめなさい。すでに標準よりメタボなんですから。
途中にあった手水鉢。この大きさは普通、庭園にもありません。ここだけで一つの庭の造りになっていました。
この先がケーブルカーの駅に続きます。ケーブルカーは男体山山頂を目指し登ります。
日枝神社、春日神社と、その拝殿があります。これも江戸初期の建造物で、県の文化財に指定されています。
拝殿そばにあった老木は’マルバクス’と書いてありました。普通のクスの木より葉が丸いものだそうです。初めて見ました。
と、帰りがけに見つけた’宇宙の卵’。かの筑波万博で展示されていたものです。そう言えばあったような。
神社そばの売店からの眺め。窓ガラスがなければ、もっといい写真になったのですが。
前 編
さすが、紅葉の時期とはいえ平日。空いていてよかった。
いつぞや初日の出&初詣に二人で来たときは、駐車場に入れない車の列の中で、日の出を見た覚えがあります。
今回はこれで神社を後にします。
後編前のちょっと息抜き
これから駐車場に戻るわけですが、この筑波神社の周辺には、梅林やガマ公園など観光スポットもあります。
ガマ公園では、昔懐かしいガマの油売りの大道芸を披露したりしています。
また、この辺は温泉が湧いていることでも有名。よくまあここで温泉を掘ったと感動しますが、露天風呂からの景色や疲れをとる湯に入ってから次を目指すのもまたいいです。
こちらは、以前に行った梅林の様子。神社の斜め上方に位置します。山頂を見上げながら、かなり急な斜面に梅の木が植えられています。
他の梅林と違い、歩く気で行かないと大変ですよ。
庭師にとっては憧れの筑波石がごろごろと。
今では輸入物が大半になってしまった石材(特に砂利)ですが、郷愁を誘う国産をなるべく使いたいですね。
筑波石;花崗岩、いわゆる火山岩の一種で、とても固く表面もきれいなため、御影石として全国で流通している。
関東にあって庭石といえば、三波石、秩父石、そして筑波石が三大有名石。
写真で見るように、表面は黒い、黒雲母花崗岩。なので加工品には向かない。
近くには、稲田、真壁など石の有名産地も連なっている。