〜序 章〜
パッキング
9月15日の出発に向けて、2日前から荷物の準備。いまいち気合入らず。
この時点でも、奥様のつわりの程度が微妙で、行くぞ!と言い切れなかったのです。
しかも、行くとしても彼女は荷物が持てないし、最低限の量に抑えねばと、大きなスーツケースは一個、後は機内に持ち込めるキャリーケースで行くことにしました。
大きなスーツケースを、半分づつ使って着るものを収納することにしたのですが、ここでびっくり!
なぜか奥様より、自分の荷物の方が1,5倍あって、片側パンパン。
そりゃ、氷点下になるスイスの山対策や、パリでのディナーのためにスーツや革靴入れたせいもありますが、条件は彼女も変わらないはずなのに。
この差は何?先ず全体量が少ないこと。全ての日の着こなしを考え、最小限に抑えています。
次に衣類の折り方。丸めるように折ることで、普通にたたむよりコンパクトにまとめています。
さすが、海外旅行慣れしてしているだけあるな。自分がパンパンじゃ彼女の荷物はもっと大変だろう、と考えていたのはまったくの杞憂でした。
出 発
無事、当日出発にこぎつけました。よかった!
成田空港までは、家から車で約90分。
ネットで探した、信頼できるパーキングに車を預けることにしました。
成田空港の周りは、これほど多くのパーキングがあったのかとびっくり。
基本的に、どこの駐車場も送迎バスで送り迎えしてくれますが、所によっては自分の車を空港乗り付けで、また空港迎えもお願いできたり、パーキングでもシャッター付きガレージ、洗車サービスなど、選択肢は無数。単純に格安なら、8日間2,900円(ネット申し込み、1日10台限定)!というところもありました。
今回お世話になった、谷川さんはHPで見たとおり、親切で気持ちのよい方々で、安心してお願いすることができました。
海外旅行初体験の自分としては、成田空港の出発ロビーに行くのも初体験。
奥様や、ハワイの友人の迎えに、到着ロビーは何度も行っていましたが、ついに自分が出発です!んーちょっと感動。
偶然にも同じ日、奥様の会社の先輩が、やはり新婚旅行でタイへ行くところに遭遇!
幸先いい出会いです!お互いANAを使っていたことが幸いしました。
(実は我々、ツアー申し込みは6社くらい入れていました。その中でた運良くANAハローツアーが取れました。)
フライト
最初の観光地はドイツ。向かう先はフランクフルト空港ですが、パリ乗り継ぎ便です。
一度、フランスのシャルル・ド・ゴール空港に飛びます。
フライト時間;約12時間
現地との時差;約−7時間
妊婦の奥様を、そんな長時間機内に閉じ込めることに心配がありました。
国内しか飛んだことのない自分にとっても未知の時間ですけど。
妊婦と言うことで、エコノミーでも出入りしやすい席にしてもらえたので助かりましたが、妊娠発覚後すぐ、この際ビジネスクラスに変えよう(旅費は2,5倍です)としたのですが、残念ながら満席で無理でした。
機内食初体験。2種類から選べる食事が、2回出ました。もちろんアルコールも。
早速ビールを注文し、一人満悦。
現在シベリア上空あたりをフライト中。
人も、家もない山の光景が永遠続いています。
この広大さ、すでに日本と違う!
肉眼で見る、外国の風景に一人感動。
ヨーロッパの大地が見えました!ベルギー上空だと思います。
思ったよりずっと平らな地です。
意図的に残しているのでしょう、緑も多く、畑が続きます。
家は集落を形成するように固まっていて、点在する家は少ないです。
日本のように道に沿って必ず建物があるということはそれほどありません。
ド・ゴール空港に到着。ラグビーワールドカップの垂れ幕がかかっていました。
成田発11時25分の飛行機だったので、時差7時間マイナスすると、パリ到着はその日の夕方4時30分ごろ。
日本時間だったら深夜なわけで、布団の中の人も多いでしょう。
時間を遡るということは、タイムマシンでも、4次元の世界でもないのに不思議なことです。
東京から13名の同ツアー客がつきました。今後数人のメンバーが紹介されることとなるでしょう。
この13人に、名古屋のセントレア空港から来る8名が合流し、計21人プラスコンダクター2名が一つのツアーを形成していきます。
円形の本館に向かってチューブのような通路を抜けて、入国カウンター、そしてドイツへの乗り換え便に搭乗します。
下ったり、平たくなってまた登ったりと長い距離のエスカレーターでした。
ド・ゴール空港を降り立って、一番に感じたのは、’香水臭さ’です。化粧品売り場そのものの匂い。結構強烈です。
香水で臭いを隠しているのか、おしゃれな国をアピールしているためか、単に匂いが溢れているだけなのか戸惑います。
ちなみに、空港のトイレの男性用小便器、位置が高いです。もう少し身長が低いと、またぐのも難儀するでしょう。
しょっぱなからカルチャーショックの連続。
コンダクターから遅れないように、園児のようにきょろきょろしながら、一番後ろを付いていきます。
乗り継ぎ時間までしばし休息。
つわりのせいで、フライト直後は気持ち悪いので何も食べられな事を想定して持参したおにぎり。うまかった。
これからの旅行で、こんなに日本食が恋しくなるなんてこのときは想像もできませんでした。
フランスのゴミ箱。鋳造された意外と立派でおしゃれな入れ物です。
もうちょっと口が大きいと入れやすいのですが。
ゴミを入れる人と、入れない人の差は同じくらい。ゴミは結構置きっぱなしで散らかっている場所もあり。
つたないフランス語で、海外初注文。
「こんちわ。カプチーノ1つと、ショコラ1つお願いします。」
丸坊主の怖そうな若い店員さんに通じたらしく、無言で奥で作り始めました。チョコを削ったり、意外と本格的。
でもできれば最初に注文するのは、もっと話しやすい人だったらよかったのに。ドキドキです。
よかった、ちゃんと出てきました。これも初めての外貨使用をし、無事役目を果たしました。
こういう場では、チップはいらないと聞きましたので、日本と同じようにレジスターに表示されている金額を払います。
早速二人で飲みます。
さすがフランス。カプチーノもうまいし、ショコラは甘くなくてうまかったです。コーヒーが飲めなくなった奥様に、ショコラは口に合ったようで何より。
近くに席が空いていなくて、窓際の空調の機械に腰掛ちゃいました。
あちらでは、空港の待合席にもシルバーシートがあり、皆そこには座らずに空けてあります。
さすが、ヨーロッパはしっかりしている、そう二人で話した途端、ラテン系女性二人組みがドカッと座りました。
…どう解釈しようか、二人で困惑…。
もう10年以上前、まだ学生であった頃、結構まじめにフランス語を勉強しました。
そのときは先生に、「フランス人は、自国の言葉に誇りを持っているから、英語がわかってもほとんど返事しないよ。」
と脅されていましたが、今ではそういうことはないようです。
実際公共の場では、英語で不自由ありませんでした。奥様は、デパートでフランス語以外しゃべれない店員さんと遭遇し、一生懸命電子辞書を操ったそうですが、珍しいケースでしょう。
本当によいお店は、フランス語しか使わないと本にありましたが、初心者ツーリストにはそんな余裕はありません。
いよいよフランクフルトに向けて、飛行機に搭乗です。
ドイツのルフトハンザ航空に乗ります。
19時30分だというのに、まだ明るい!
日本より緯度が高いため、日照時間が違うのです。
夏の日照は長く、冬は早い。
8月なら22時ごろまで日が沈まない国です。
時差も、サマータイムにより、7時間ですがそれ以外なら8時間となります。
そういう違いも、実感しないとわからないものです。
ドイツと言えど、思っていたほどにはしっかりしておりません。
自分を含めたツアーの4人分の航空券は発券されておらず、当日カウンターで交渉。30分近く、コンダクターがスタッフともめてようやく発券です。
また、最初から発券されていたツアー客の一人は、他の外国人と同じ席番号。1席に同時に2枚の発券があったわけです。
席に余裕があったため、好きな位置に移動できたから良かったものの、なかったらどうなっていたでしょう。
しかし、アテンダントさんもすごい。その同じ番号のチケットを手に、「どちらにしようかな」で、席を決めちゃいました。
フランクフルトまで、約2時間しかありませんでしたが、機内食が出ました。
食べかけのものは、ハムとチーズがはさまったシンプルなサンドウィッチ。それがこちら流の食べ方です。
小麦の味が濃い。ハムがうまい。たしかにソースはいりません。
あと、バナナ味の怪しいチョコバーにアルコールを含めたドリンクが付いてきます。
20時30分に見る夕日。
機内からすばらしい光景を見ることができ感動。
こんな時間に夕日を見るとは思いませんでした。
しかしさすがに、長旅のせいでその後寝てしまいました。
ドイツの飛行機なので、当然アナウンスはドイツ語。
ですが、他に英語、フランス語、何と日本語でもアナウンスが入ります。
この便に我々が乗っているからでしょうか?
さすがに普段から日本語は流れないと思いますよね?
すっかり日が落ちて真っ暗な中、フランクフルト空港に到着です。
良く寝すぎて、気が付いたら着陸していました。
ド・ゴール空港と違って、こちらの空港は匂いはありません。さすがドイツ、きれいです。
入ったトイレの、手洗いの水が温水ということにもちょっとびっくり。こちらは普通に温水が出るのです。
「自分の荷物が出てきたら、確認だけしてください」とコンダクターから言われ、荷物引渡し場で待ちます。ここの荷物の出口はすごい!
日本なら、係員がいて、落ちてきた荷物を受け止めてくれます。
しかし、こちらは係員にそういう仕事はないのでしょう。
中央の高くなっているところから、ボコボコスーツケースが落ちてきます。これじゃ値の張るスーツケースは使えません。
日本のサービスに慣れているといかんですね。
今回のツアーは、すごい距離を移動します。
バスでドイツ内を縦断し、フランスへは列車の旅です。
このツアーのよいところは、スーツケースを自分で運ぶことは、最初と最後の飛行機乗るとき以外、一度もなかったことです。
バスへの運び込みも、ホテルへの運び込みも、全てポーター任せ。
しかもいつの間にか運ぶので、チップを払うタイミングもつかめず、逆に申し訳ないことをしました。
空港から数分走った、ラインハイムにあるホテル、メルキュール ウィング・エアポートが今夜の宿です。
かのメルキュールグループのホテルですから、最低ラインは押さえていると思って間違いないでしょう。実際よかったです。
玄関前の可愛いディスプレイも、すでに一ヵ月後のハロウィンを意識していました。
ロビーにある植物の姿も個性的。
日本でも一世風靡した、ゴールドクレストですね。
しかし、日本と違って回りをきれいな形にカットしておらず、まさに自然任せ状態。
頭が逆立っています。
気になる部屋の様子は…
日本のシティーホテルと同じ感じです。簡素ですが清潔で、落ち着いています。
手前に、大き目のダブルベットがあります。
テレビはもちろんドイツ語、あとはCNNくらい。チャンネルは多くて、20は超えます。
男としては下心。lここは日本のような無粋な修正(性器は昔から神聖なものなのに、ああいうことをするから皆逆に意識して卑猥の象徴になったのです。考え違いにもほどがある!)はないわけですね。
深夜番組何やってるかな〜。(この気持ちに神聖さはありませんね。ダメだこりゃ!)
そして洗面所。奥に便器、シャワーが設置されています。シャワーはカーテンではなく、水除けのガラス戸半分が付いていました。この戸はいいですね。新鮮だったのは、便器の上についている四角い部分。これが水洗ボタンです。
押しっぱなしではいけません。押したらもとに押し返さないと止まりません。
一見しただけだと、流すレバーがわかりませんでした。これがこちらのスタンダード。
この電気のコンセントも、まったく日本と別もの。
タイプCの変換機で合います。
今回行く3国とも、この型で使いまわせます。
また、海外使用のできない電機製品には、変圧器も必要になります。
今の製品は、大概海外で使えますけどね。
我々は、さらにタコ足用の3口コネクタを持っていって、デジカメ2台、携帯など一度に充電していました。これは正解でした。
日本国内でも電圧が違うので、文句も言いづらいですが、できればこういう基本部位は世界共通になって欲しいですね。
ホテル
朝 食
身重の妻を置いて行くわけにも行かないし、最近衰えたと実感があるので、明日に備えて寝てしまおう、と現地時間12時には消灯。明日も6時起きです。
しかし、元気な方もいたようです。岡山から参加されたご夫婦は、こちらに住む友人と会っていたそうです。
また、話していたら、実は近所の五霞町にお住まいで、結婚式場も同じで、旅行の申し込みも同じ県民共済に行った、さらに妊娠5ヶ月の奥様、というK夫妻は、ホテルのバーで早速飲んで、ソーセージを食べていたそうです。このご夫婦は毎日食べに出ていました。それだけ、現地を知ろうという好奇心が強かったのです。感服いたしました。
ドイツの食事については、別コーナーでお話するとして、ここではホテルの朝食のスタイルを掲載します。
これから帰途に着くまで、基本的にこのスタイルが変わらずに続きます。
朝食は全て、ビュッフェスタイル。もちろんこれはツーリスト向けです。ドイツ人の食事ではありません。
豪華な食材が並んでいます。
何よりうれしいのは、飲み物が充実しているところ。
100%ジュースが3種類あるのは普通です。こちらには生絞り機までありました。
ティーバッグなども、何種類も置いてあります。店に並ぶ商品をビンごと、箱ごと置いてある豪快さとシンプルさは共感が持てます。その横に、自分で切れ、と置いてあるレモンが好きでした。
ハム、ソーセージ、チーズが並びます。
どれも最低3種類は用意されています。日本のホテルのバイキングは、妙に色々な料理が、数合わせのように脈絡もなく並んでいます。
こちらは選べるメニューはありませんが、どれもしっかりした味があり、風味豊かです。
旅行中、こればかり食べていたシリアル。
銀色の筒状のものは、ミルク。
その右側のビンに、なんと4種類のシリアルがあります。
さらに右端の上2段のボールには、ドライフルーツなどのトッピングがあの種類だけあるのです!贅沢でした。
パンの種類の多さにもびっくり!日本で言う食パンのようなものはあまりありません。基本的に、丸っぽい切らずに食べられるパンが主流。こちらには菓子パンもありました。
また、ジャムやバターも数種類。加工品に関しては、日本以上の品揃え。
やはり締めはコーヒーですね。
各テーブルに一個、コーヒーの入ったポットが置いてあります。
大ぶりの入れ物に来るミルクがうれしかったです。
カフェ・オ・レにすると最高でした。
パンに、ハム、チーズ、どれも冬に備える保存品だったのでしょう。
味は塩気が強く、マヨネーズやソースはいりません。
どれも味が濃くておいしいです!
けれど、じゃ他のものは?と問われると、特に野菜などの種類はほとんどありません。気候や土地のせいで、作れないのでしょう。
だからこそ、使える素材で最高のものを、と特化したと見るべきです。
と言うことで、一日目は感動の朝食でした。しかし、これを毎朝となると、ちょっとしんどい。
味が濃いので、さっぱりしたものがよくなりますし、熱々のふっくらした銀シャリが恋しくなるのです。
日本を離れることで、日本がいかに恵まれているかよくわかります。
それは、この旅の記事を書く中で、随所に感じられることです。
今後の展開をご期待ください。
さて、腹もふくれたことですし、早速ツアー2日目のドイツバス旅行に出発したいと思います!
次回をお楽しみに!