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〜フランス・暴走編〜

教会めぐり

ノートルダム寺院などはそのいい例ですが、こちらにも同じ名前のついた教会がいくつもあります。
日本の神社の統一させられた名前と違って、こちらはちゃんと名前に意味があります。
そして、この4つの教会を見ただけでもわかりますが、それぞれまったく違う建物の形をしています。
こういう姿を見てしまうと、他にもどんな教会があるのか大変気になります。
パリだけでもまだまだ気になるし、フランスの他の都市、さらには他の国まで考え出したらきりがありません。
まったく教会めぐりは止められません。

人々が心のよりどころとする場所を美しく飾ろうとするのは、洋の東西を問わず同じです。
日本では神社仏閣、こちらでは教会がそれにあたります。
そんなスピリチュアルな空間は、例え信者ではなくともいるだけで癒されます。
しかも、そういう施設は伝統的な技法や、凝った装飾など一見の価値のあるものばかり。
自分はそういう場所を見て周るのが大好きです!
今回2日間で自分の足で見に行った教会を掲載していきます。

サン・ジェルマン・デ・プレ教会
 パリ最古のロマネスク様式の鐘楼を持つ教会。6世紀、パリ王ヒルデベルト1世が聖遺物を納めるために建てたことがはじまり。その後ジェルマン司教が葬られてから`サン・ジェルマン・デ・プレ(聖ジェルマンの草原)と呼ばれるようになりました。9世紀ノルマン人の侵攻により荒廃しますが、11世紀より再建が繰り返されました。

 通り沿いにはツタに一面覆われている壁もあります。石つくりの建物にはよく合います。

ロマネスク特有の天を突く尖塔が印象的です。

 ここは有名な教会にも関わらず、観光客より地元の方が多い場所です。しかも、空いています。
 逆にこれだけ閑散とされてしまうと、信者でもない東洋人があちこちカメラで撮りまくるのは気がひけました。

 ステンドグラスの美しさは、教会の特徴ですね。

 大きな教会なのに、大きさを感じさせないで落ち着くことのできる教会です。ここがパリ市民に愛されている理由が何となくわかります。それは実際に行ってみなければわからない感覚ですが、自分も一番のお気に入り教会です。
 入り口には、各国語で書かれたパンフレットもありました。
日本語もちゃんとあったのは感動です。

教会のそばにあったオブジェ。

ノートルダム寺院
 12世紀ゴシック建築の最高峰と言われる教会です。1163年シュリー司教のもと着工、1320年完成を迎えますが、現代にいたるまで様々な歴史の舞台となってきました。時には飼料庫に使われることも。近年、800年間におよぶ汚れをおとす大改装がおこなわれました。
ノートルダムとは`我らが貴婦人`の意味で、聖母マリアのことを表しています。

 さすがはパリで一番有名な教会です。
こちらはすごい人。正面の公園でも、市民達が寛いでいたり、ストリートパフォーマンスがあったり。
 木々も少しだけ紅葉しています。

 バラ窓と、諸王のギャルリー。復元したものですが、その精巧さには舌を巻きます。

 3つある入り口門の中央の’最後の審判’門。

 ノートルダムの外観は、この正面から見たすばらしい装飾だけではありません。塔に吊るされた’エマニュエル’と呼ばれる重さ13トンの大鐘を見るべく登る展望台も、また違った彫刻を見ることが出来ます。
ディズニー映画’ノートルダムの鐘’を見た方なら鐘周辺の雰囲気が分かってもらえるかと思います。
 また、この反対側から教会を見ることもお奨めします。
ゴシック様式最大の技法、飛梁と呼ばれる強度を増すための、外側からアーチ状にとりつけられた支えは、機能性以上に美しい外観をノートルダムに与えています。
おかげで、どちら側から見るかで、まったく違う教会に思えます。残念ながら今回はその部分の写真がありません。次回こそノートルダムの勇壮をくまなくお伝えしたい!です。

 この見上げたときの立体感。ロマネスクにはない、ゴシックのダイナミックさが現れています。

 飛梁の発達は、内部に大きな空間を作ることを可能にしました。
天井は高く、窓は大きく、以前より明るい室内に変化しました。

運良くミサの時間に遭遇しました。厳かに儀式がはじまります。

 ノートルダムのステンドグラスの美しさは、他の教会を一歩リードしている気がします。
ただし、この教会の人の多さは抜きん出ているかも。

 3方向に取り付けられているバラ窓。最大の大きさは13mあります。
内側からの美しさと、外側からの美しさが違うところがまた感動。

マドレーヌ寺院
 正式名称はサント・マリー・マドレーヌ教会。市民から愛称でラ・マドレーヌと呼ばれています。
ギリシャ・ローマ世界に心酔していたナポレオンがパルテノン神殿風の寺院に作り替えました。しかしナポレオン失脚により二転三転しましたが1842年教会として落成、ようやく落ち着くこととなります。

 えっ!?これが教会?神殿そのものつくりなのですが、正面の彫刻は、レメール作の最後の審判。側面には、聖人達の像が飾られています。
そういうところを見ると、れっきとした教会であることが伺えます。
それにしてもでかいです。階段を歩く人々が小さいですね〜。

 日本で言うなら、神社の参道の階段に座っているようなものですが、そういう意識とは全然違うのでしょうね。そういう自分も気持ちよく腰を下ろしていましたけど。周囲に飾られたベコニアもきれいです。
 この階段28段あります。コリント様式の柱は20mの高さがあり、52本で支えています。

 この建物の特徴の一つが、窓がないこと。
天井に明り取りの丸窓が3つあるだけで、他の教会以上に室内は暗いです。
それがさらに、中央のマリア像や、キリスト像など19世紀の傑作彫刻を浮かび上がらせ、神秘的です。

サントトレニテ教会
 19世紀ジョジュルジュ・オスマン男爵の命で、建築家テオドール・バリュの設計で建てられた教会。非常に経済的に建てられた教会だそうですが、外見からは想像できない立派さです。
 サントトリニテとは、聖三位一体を表しています。

 ギャラリーラファイエットで買い物をしていると、その奥にいつも見えていて気になる教会です。その真っ直ぐなスタイルに惹かれ、今回パリでの最後の観光スポットに、時間を押しながら駆け足でやってまいりました。
 教会の前には、簡単な公園があり、子供達も遊んでいました。子供の頃、お寺の中庭で遊んでいたことが思い出されました。

 内部改装中のためか、周りに柵がまわしてあって、中に入ることができませんでした。大変残念なことでした。

 パリ大改造計画中に建てられた教会というだけに、ゴシックとルネサンス様式の融合した建物になっています。

 昼下がりの午後の日差しの下、皆寛いでおります。日向ぼっこをするにはちょうどよい気候です。しかしこちらの人たちは、どこにでも腰を下ろしますね。
自分ものんびり座っていたい気分なのですが、もう帰らなければならない時間です。

 重厚な門を抜けると、ピエタなどの有名な彫刻にすぐに出会えます。