〜スイス・迷走編〜
思った以上に面白い迷走し甲斐のあるインターラーケンの町でした。
明日は待ちに待ったユングフラウに向かいます。
天気は大丈夫でしょうか?
今日の雨が気になるところですが、旅の疲れですぐに寝てしまいました。
そういえば、カジノに行こうって言っていたのに!
いざスイスへ!!「でもその前にオーストリア寄って。」byトーマス
ドイツに後ろ髪ひかれつつ、次の予定地スイスでの観光先ユングフラウのあるベルナーオーバーラント(ベルン州の高地地方の意) の玄関口、インターラーケンの町まで350キロの道のりを半日かけて激走します。
スイスでの滞在時間は三カ国中一番短いのですが、ドイツに負けない、ドイツとは違う感動がありました。
これから目的地までの長丁場を覚悟したそのとき、急に行き先が変わりました。
行く予定になかったお隣の国、オーストリアに向かうことになったのです!
どういうことかと言うと、ドライバーのトーマスさんが安いところでガソリンを入れると言い出しました。それがオーストリア。
さすが経済性を重んじるドイツ人、観光バスだからとて扱いは自家用車と変わりません。
しっかり節約です。
感覚的には、我々がガソリンが安いとなれば、お隣の県に入れに行くのと同じなのですね。
昼食をとったレストランから。ツタのからまったなかなかおしゃれな地元のレストラン。
観光客向けではない、普通のレストランです。こういうところで食べられるのがこのツアーのよいところです。
このお昼をとったレストランからすぐのところに、オーストリアとの国境があります。
’我々がお隣の県に入れに行くことと同じ感覚’と書きましたが、ホントに県境と同程度の扱いの国境でした!
だって、’ここからオーストリア’という看板一枚立っているだけなんですよ!
風景に違いもありませんし。
ただ、申し訳ないことに雨のせいで写真が撮れませんでしたので、国境をまたぐシーンも車窓からでは写せませんでした。
EU加盟国は、お互いの国の行き来が自由になったので、その恩恵がツーリストにも適用されているのです。
そのためパスポートもいらずに国境を通過です。んーやっぱちょっと味気ないかな。
オーストリアのガソリンスタンドに到着です。
ヨーロッパは、現在の国境に落ち着いていると言っても、以前は何度も支配国が変わって入り組みあっていました。そのせいか頭の中でも、ドイツとオーストリアは別の国のような印象がホント薄いです。
中央ヨーロッパは、どこに行ってもそうなのかもしれません。
レギュラーガソリン1,182ユーロ。約190円強。このとき日本では130円代のころ。きっと陸続きだったら、日本にまで来て入れているかもしれません。
こちらの燃料の種類は5つあります。
レギュラーに、ハイオク2種、ディーゼルにバイオディーゼルがあります。勉強不足のためその違いはわかりませんでしたが、給油はセルフで行います。
スタンドと言っても、日本と違って単に給油をする場だけではありません。食料品や雑貨、ファーストフードの店がついていて、休憩以上に買い物もできます。逆に言えることは、他にお店が少ないということ。給油をしなくてもドライブ中のトイレ休憩を兼ねて寄る人も多いようです。
最近日本でもコンビニや、カフェが併設されていますが、やっぱり重宝に利用します。
こちらの人たちは、飲み物が冷えてなくても平気なんですよね。炭酸飲料はつらいなー。
もちろん冷えたのもちゃんと置いてあります。でも品揃えは冷やしていない飲み物の方が圧倒的。
多分ここはオーストリアの西の端。リヒテンシュタインもすぐの距離なのでは?
南下すればイタリアだって遠いところではありません。ヨーロッパは狭いです。
ドイツ同様リンゴの木が多く植えられています。雑木と変わらない扱いですね。何もしていいないようですが、それでも赤い実がたくさん生っています。写真の木は生っていませんけど…。
余談ですが、世界的に’オーストリア’と’オーストラリア’を混同する人が多いそうです。そのため、オーストリアには「カンガルーはいません」なんてシャレた看板もあるそうですよ。そのせいか、最近はオーストラリアはオセアニア地方という言い方を多く耳にするようになりました。
素直な性格なもので、撮影禁止と言われたので撮りませんでしたが、オーストリアとスイスにはちゃんと検問官のいる国境があります。スイスは永世中立国であり、EUに加盟しておりません。ですので通貨も従来どおりスイスフラン。当然入国するには審査が必要なのです。
高速道路の料金所のような建物に、バスを横付けします。
全員手にパスポートを用意。初めての自分は、結構ドキドキ。身体検査されないだろうな?
小畠サンが窓越しに検問官に書類を見せています。彼は軽く書類に目を通し、こちらに一瞥するとゴーサイン。
「えっ!終わり?」あっけないほどスムーズに検問終了。スイスの地に入るのでした。
これは日本人ツアーだからの早業のようです。
日本人ツアーという世界ブランドでは、不法入国者はいないし、パスポート偽造などほとんどないとのことで、その信用から審査が簡略化されているのです。他のアジア人ツアーではこうはいかないそうです。
特に、最近急成長中の某大国など、偽造が多いため何時間もかかるケースもあるそうです。
なんだ大したことないじゃん、なんて余裕も出ましたが、警備員達の腰にベレッタらしき拳銃が下がっているのを見ると、緊張します。いつも自分が遊んでいる空気銃じゃなくて、本物なんですから。
国境にかかる橋を越えて、晴れてスイスに入国です。
土手に牛が放牧されています。
勝手にスイスのイメージをハイジにしていますが、それはまったくの間違い。スイスは農業国ではありません。
スイスはヨーロッパでも1,2を争う物価が高い国とも言えます。国民はそれに相応した高所得でもあります。
一体どうしてそんなに儲かるのか?なんででしょ?
スイスが国民投票の結果加盟しなかったEUにも、大きな問題があります。それは国ごとの経済格差が大きいこと。
東欧など経済的に立ち遅れた国でも、加盟すれば好きに国を移動できます。裕福な国に来て稼ごうと思いながらも、仕事にあぶれて犯罪に走るケースも少なくありません。国をまたぐ、島国日本にいると薄くなる意識です。
今度こそスイス・インターラーケンへ!
国境の川沿いを走るアウトバーンに乗りました。両脇は切り立った山が連なります。それもそのはず、この道は氷河に削られてできたU字谷に位置します。
先ずはチューリッヒを目指して走ります。
チューリッヒ湖畔のサービスエリアに併設されているスーパーで初めて遭遇した、ヨーロッパ流セルフ量り売り。
値札は一キロ当たりの価格。自分で好きな数だけ品物ごとに袋に入れ、その重さで値段が決まります。
「じゃ、バナナ1本でもいいのよね?」奥様バナナ1本だけ測りに載せます。約40円でした。日本のスーパーでは1本だけ取ったら弁償物ですが、好きなものを好きなだけ買えるこのシステムいいですね!
このとき買ったのは、他にリンゴ2個、別のリンゴ2個、プラムなどです。どれも予想以上にうまかったです。
この写真のねぎ、立派ですねー。こちらの方はどうやって料理するのでしょう?ね、奥様?
ここスーパーのレジのおばちゃん、結構きつい人でした。こちらがツーリストとわかっていても容赦なく早口ドイツ語でまくし立てます。自分は買うものの値段を先に計算して、お金を出してレジに並びましたが、後ろに並んでいた同じツアーのお姉ちゃんは、そのレジのおばちゃんに、大声の早口で何かまくし立てれています。どうやら「あと25セント出せ」と言っているようです。きっとあと25セント足せば返すおつりが簡単だということでしょう。
でも、お姉ちゃんの方も、急に怒ったように言われていることに動転したのか、固まって動けません。
つかさず自分が「25セントあるよ!」と言ったのですが、おばちゃん「やれやれ」と言った表情で細かくおつりを出していました。アジア人というだけで我々はなめられている、そんな気もしますし、日本とは違う店員の態度には、私は私、という個人主義が大きく反映しているのでしょう。
だから、我々だって毅然としてお金を出せばいいのです。海外では自己主張をはっきりする、それが今回の旅行で学んだことです。
チューリッヒを抜け、多くの湖やトンネルのあるルッツェルン付近を通り、次第に道は登りに。
ブリューニク峠に向かいます。
ヒィヨルド地形の中に、牧歌的風景が続きます。のどかですね。
さすがラリーの有名な国。日本車の中でも、スバル車を見る比率は高かったですね。
ブリエンツ湖が見えてきました。この湖を見ながら、峠を下ればインターラーケンの町まですぐです。
この峠道の下った先を、インターラーケンと逆方向に進路をとると、マイリンゲンの町があり、そこには有名なライヒェンバッハの滝が存在します。
何が有名か?それはコナンドイルの名著「シャーロックホームズ最後の事件」で、ホームズが宿敵モリアーティー教授と対決して滝底に落ちて命を落とす、という話のかの滝がこの滝なのです。まさに、世界中のシャーロッキアンが訪れる聖地。
もちろん自分のその一人なのです。寄って見たかった!
滝には、ホームズが落下する地点のマーキングもあるそうですよ。
ちなみに、ホームズは作者の意に反して復活!更なる事件を解決していくのです。その復活までの2年間を、ホームズ空白の2年間と呼び、何をしていたのか空想することが読者や評論家の間で流行ったこともあります。
峠を下りきった谷底に、1本の太い、どこまでも真っ直ぐな道があります。
有事の際、滑走路として使用する道です。他国に守ってもらおうなんて考えているのは日本だけでしょうね。さすが徴兵制の国。男子は全て銃が扱え、兵士になれます。
インターラーケンの町
有名な老舗高級ホテル、ヴィクトリア・グランドホテルの前にバスが停車。まさかここが宿、ということはありません。ホテルの向かいのヘーエマッテ公園。町の中心にありながら、ホテルからの景観などを配慮し公園としたそうです。なかなか粋なことをしますね。晴れていればユングフラウが望めます。
公園にある柱に、温度計がついていました。帰ってから写真を見て気づきました。
ブリエンツ湖と、トゥーン湖の間にある町がインターラーケンです。
町のヴェスト(西)とオスト(東)に駅があり、バスや登山列車を含むベルナーオーバーラントに行く玄関口です。
今日はこの町で宿泊です。思ったより早く着いたようで、まだ外は明るい&雨もあがってきました。日本の免税店を覗きながら、ホテルに身重の奥様を休ませて、夕食までの間町をうろうろしてみます。
まさに、行く先を考えない、単なるうろうろ迷走状態。それを異国でできるのも、治安がある程度保たれている安心からでしょう。でも、荷物など肌身離さず抱えて、絡まれないように、鋭い目つきで歩きます。(お前のがよっぽど不審者か!)
今までのドイツの観光地と違い、歴史ある中にもモダンさを感じます。町自体が観光地ではないからなんでしょう。お店の規模、品揃えも違います。
ブーゲンビリアの街路樹がきれいです。どの国でも見かけます。
どこでも見かけるマンゴーキャラ。
右は中央広場です。寄せ植えがかわいかったので、車を避けながら真ん中の植え込みに近づきました。
メインストリートであるヘーエ通りを離れて、裏露地に入って行きたいと思います。
すぐ目の前に山が迫っています。
川に沿って、細長く街が形成されています。
歩き出してすぐの建物に、えっ!?です。う、牛が突き抜けています。
随分と遊んでますね。
今までと違う雰囲気の一戸建てです。個人宅のようですが、きっと由緒あるものでしょう。
レストランらしき建物の庭先。
ぱっと見ると和風にも見えます。
手入れは面倒な庭かもしれませんが、きれいにしておいくとすばらしく生えるデザインですね。
上の万作らしき赤黒い葉も、大きくて艶があって立派です。海外でもすごく庭に参考にさせられることがあります。
建物の二階部分に植え込みがありました。でもここはちゃんと手入れはしたほうがいいと思いますよ。
街路樹も空中庭園風?
ゼラニュウムの花が頭の上から降ってくるようです。
町のモニュメントもおしゃれです。
さすがスイス、街頭時計がオメガだ。
大きなトウヒ。アルプスっぽい樹木です。
’友好の庭’を発見。日本の大津市と姉妹都市提携をしたときに、寄贈された日本庭園だそうです。
裏手の教会と何気なくマッチしていると思いません?
池には鯉もいます。
橋の向こうに、かなり急勾配のケーブルカーのレールを発見。
終点には標高670mの展望台があり、地元の方もお気に入りの観光スポットになっているそうです。
こちらはイギリス公園。
インターラーケン・オスト駅前。
アーレ川の優雅な流れ。
樽で作られた鳥小屋。
公園にありました。
右写真のとがった帽子がのったような建物が、今日のお宿ロイヤル・サンジョルジュです。
今までで、一番豪華な内装のホテルです。
今まで一番シックで高そうな室内。
ナイフショップで買ったスイスアーミーナイフ。日本人スタッフでしたので、話しながら欲しいものを購入。
スイスは物価が高いと書きましたが、名入れサービス込みで、約1000円!これは安い買い物でした。
本日の夕食
スイスといえばフォンデュですね。ホントは本場のチーズフォンデュが食べたかったのですが、今回はフォンデュ・シノワーズ。
鍋にコンソメスープを入れ、フォークに刺した肉をしゃぶしゃぶ、じゃなかったゆっくりゆでて、ソースをつけて食べます。
ソースは4種類。カレーやタルタルソースなど、意外にいけるソースでした。
牛肉と七面鳥の肉が並びました。野菜なんかはフォンデュにしないのですね。肉だけも寂しいな。
サラダバーがついていましたが、別にガイドブックにのっていたように、甘いシロップ付けのフルーツが付け合せに出ています。それが定番らしいのですが、こちらの方はこれをどうやって組み合わせて食べているか興味ありますね。
おかわり自由のフライドポテトと、日本人ということでホテル側がサービスで出してくれたバターライス。ちゃんと店員さんがサーブしてくれます。
でも、皆ポテトばかりをお替りします。だって、芯の残るようなぼそぼそのタイ米なんですもん。はっきり言っておいしくありません!こちらの給仕さんたちポテトばかり注文するので、「日本人なのにライス食べないのか?」と疑問に思ったでしょうね。
デザートはアイス。
誤解するでしょ?クリームの上にアイスが乗っていると思うじゃないですか?アイスの下にあるものは、砂糖菓子なんですよ!
スイス流の盛り付けにちょっとびっくりさせられました。
この日の飲み物は、小畠サンお奨めリベラ。味はマミーに似た乳酸飲料です。カロリーオフなど3種類くらいありました。甘い飲み物ばかりでお茶がほしいところです。今回は食後のコーヒーがついていたので助かりました。